新型ミニクーパー 3ドアと5ドアの違い まとめ

ミニクーパー 3ドアと5ドアの違い

2014年4月にフルモデルチェンジをはたした第3世代目となる新型ミニ3ドア(F56)。先代よりもボディサイズがアップして、高効率の新世代エンジンと先進の装備を備えている。

その3ドアの発売からおよそ半年後に、MINIハッチバックを引き伸ばして後席ドアを追加した「ミニ5ドア(F55)」が追加された。これまでMINIに乗りたくても、2ドアがネックで諦めていた方も多いだろう。だが、5ドアの登場によって後席の利便性が格段にアップしたことにより、様々なライフスタイルに対応できるようになった。もう小さくてオシャレなだけのMINIではない。

そこで、改めてミニ3ドアとミニ5ドアの違いを簡潔にまとめてみた。あなたにとって最適なMINIはどちらか? モデル選びの参考にしていただきたい。

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index

  1. デザインの違いは「長さ」のみ
  2. エンジンとグレード構成
  3. 燃費の違い
  4. 標準装備とオプション
  5. 重要!後部座席の比較
  6. MINIでも荷物を積める5ドア
  7. 乗り心地は「ほぼ」同じ
  8. 価格差は15~18万円
  9. 売れ筋モデルは?
  10. まとめ:選び方のポイント

1. デザインの違いは「長さ」のみ

ミニクーパー3ドアとミニクーパー5ドア デザインの違い

左:ミニ3ドア(F56) 右:ミニ5ドア(F55)

ミニ3ドアと5ドアのデザインは基本的に同じ。3ドアをそのまま引き伸ばしたものが5ドアとなる。5ドアの全長は3ドアよりも16.5センチ長くなり、コンパクトでスペシャリティ感のある3ドアに比べ、やや保守的なスタイリングだ。だが、リアウィンドウの傾斜を緩やかにすることによって、3ドアの軽快感のあるスタイルに近いデザインを実現している。同様にインパネや内装も同じデザインが採用されている。

実際にミニ3ドアと5ドアを乗り比べた時、大きな違いを感じるポイントは前席用のドアサイズ。写真からも分かる通り、5ドアの前席ドアは、3ドアより短い。ドアが短いということは開口部が小さいということ。そのため、普段3ドアに乗っている筆者は、乗降りする際に少し窮屈な印象を受けた。

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2. エンジンとグレードの基本構成も同じ

クーパーとクーパーS

左:クーパー(D) 右:クーパーS(SD)

ガソリンエンジンとディーゼルエンジンを用意

ミニ3ドアと5ドアは、搭載されているエンジンも全く同じ。新開発のBMW製ツインターボ付きガソリンエンジンが、全てのグレードに採用されている。先代モデル(R56系)と馬力は同等だが、低速からスムーズで力強い走りを楽しむことができるようになった。

2016年4月には、両モデルに新世代の「クリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルが追加設定」された。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンよりも約30%燃費性能が向上しており、燃料はガソリンエンジンモデルが使うハイオクよりも2~3割ほど安い軽油を使用するため維持費(燃料コスト)を抑えることができる。低回転域のトルクが大きいのもディーゼルの特徴で、日常の街乗りシーンでは、信号待ちからの軽快な発進、中間速度域での力強い加速を楽しむことができる。クルマが軽く感じるため、長距離を運転しても疲れにくい。

しかし、ディーゼルを選ぶ場合は、そのデメリットもちゃんと体験したうえで決めることを強くお勧めしたい。アイドリング中の騒音(カラカラ音)やステアリング(ハンドル)から伝わってくる振動は、ガソリンエンジンと比べると非常に大きい。アイドリングストップを使えば回避できるが、アイドリングストップから再始動する時の振動はなかなかだ。この他にも、加速時の低回転域(~1250回転)における振動も気になる。だが・・・、いったんスピードにのってしまえば、音も振動もまったく気にならない。ガソリンエンジンとほぼ同等だ。

ディーゼルは、年間の走行距離が多く、平均速度の高い郊外や高速道路での快適性&経済性を最優先したい方にお勧めしたい。

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グレード構成、3ドアにはハイチューンモデルあり

ミニ 3ドア ジョンクーパーワークス F56 エクステリア

ミニ3ドア ジョンクーパーワークス

ミニ3ドアと5ドアのグレード構成も基本的に同じ。入門モデルからスポーツモデルまで、ユーザニーズに合わせた3段階が用意されている。ただし、3ドアには刺激的なスポーツ走行を楽しむことができるハイチューンモデルも用意されている。

ガソリンエンジンモデルでは、入門モデルとなる最も廉価な「ONE(1.2リッター3気筒ターボ)」、標準モデルの「クーパー(1.5リッター3気筒ターボ)」、スポーツモデルの「クーパーS(2.0リッター4気筒ターボ)」の3つが基本グレードとなる。

そして、3ドアのみクーパーSをベースにハイチューンを施した「ジョンクーパーワークス(JCW)」が選択できる。ジョンクーパーワークスは、レーシーな走りにウェイトを置いたホットなモデルで、クーパーSでは物足りないという場合に検討したい。

ディーゼルエンジンは、標準モデルの「クーパーD(1.5リッター3気筒ターボディーゼル)」、スポーツモデルの「クーパーSD(2.0リッター4気筒ターボディーゼル)」の2つが基本グレードとなる。

なお、ガソリンエンジンモデルとディーゼルエンジンモデルの違いはエンジンのみで、外装や内装のデザイン、オプションなどは全く同じ。

3ドアにはマニュアル(MT)設定あり

マニュアルファンの方は注意が必要だ。3ドアにはオートマチックとマニュアル(6速MT)が用意されているが、5ドアはATのみとなる。

追記:5ドアに初のマニュアル車が登場!

2018年10月末に予約が開始された特別仕様車「MINIアイスブルーブラックエディション」は、5ドアで国内初導入となるマニュアル仕様(限定380台)。

追記:3ドアのマニュアルが廃止

2020年2月生産分を最後に3ドアのマニュアルは生産終了

3. 燃費の違い

ミニセブン ミニクーパーS F56 ラピスラグジュアリーブルー

写真は特別仕様車の「ミニセブン

ミニ5ドアは3ドアよりも車重が50~60kgアップしているが、ガソリンエンジンモデルにおいては、ワンとクーパーの燃費は変わらず、5ドアのクーパーSのみ1.2km/Lダウンとなる。

ディーゼルエンジンモデルは、クーパーDとクーパーSDの2モデルになるが、ミニ3ドアと5ドアで違いはなく同じ燃費となっている。

※表は「2018年5月のマイナーチェンジ」以前の燃費

ガソリンエンジン

グレード エンジン
(出力 / トルク)
燃費
ワン 1.2L 3気筒 ターボ
102PS 180Nm
3ドア
5ドア
AT 19.2km/L
クーパー 1.5L 3気筒 ターボ
136PS 220Nm
3ドア
5ドア
AT 18.3km/L
クーパーS 2.0L 4気筒 ターボ
192PS 280Nm
3ドア AT 17.6km/L
5ドア AT 16.4km/L
ジョンクーパーワークス 2.0L 4気筒 ターボ
231PS 320-350Nm
3ドア AT 16.6km/L

2015年8月25日の仕様変更で、クーパー(3ドア/5ドア共に)の燃費が「0.4km/L」向上。(表の燃費は向上後の値)

ディーゼルエンジン

グレード エンジン
(出力 / トルク)
燃費
クーパーD 1.5L 3気筒 ターボ
ディーゼル
116PS 270Nm
3ドア
5ドア
AT 23.9km/L
クーパーSD 2.0L 4気筒 ターボ
ディーゼル
170PS 360Nm
3ドア
5ドア
AT 23.8km/L

気になる実際の燃費は?

残念ながら、実際の燃費は上記のカタログ燃費よりも20~30%ダウンとなる。燃費は走行状況により大幅に異なるが、だいたいの目安は、ガソリンエンジンで11~14km/L、ディーゼルエンジンで15~18km/L。高速道路の場合は、ガソリンエンジンで17~19km/L、ディーゼルエンジンで22~24km/L。ただし、5ドアの場合は便利な後部座席を利用して家族で利用する頻度が高いことが想定されるため、重量が増えてもう少し厳しい燃費になることを認識しておきたい。

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4. 標準装備やオプションも同じ

ミニクーパー インテリア

中央のスクリーンは純正HDDナビ

ミニ3ドアと5ドアは、各グレードの標準装備も同じで、用意されているメーカーオプションカラーバリエーションも基本的に同じ。

スポーツモデルのクーパーSとクーパーSDには、純正HDDナビLEDヘッドライト、スポーツシートなどが標準装備となる。いっぽう廉価モデルとなるONE(ワン)には、オートエアコンがマニュアルになるなど、必要最小限の装備になる。

MINIは豊富なオプションが用意されているため、あれこれと付けたくなってしまうが、高額のオプションを付けると上位グレードとの価格差がなくなるため、グレード選びとオプション選びは並行して検討したい。

各グレードの主な標準装備

F55 ミニ5ドア ミニクーパーS

写真は標準17インチホイールのクーパーS

追記:「★」の装備は「2018年5月のマイナーチェンジ」から標準

グレード 主な標準装備
ワン
  • ★マルチファンクションステアリング
  • ★LEDリアコンビランプ
  • ハロゲンヘッドライト
  • マニュアルエアコン
  • 15インチ スチールホイール
クーパー
クーパーD
  • ★ナビゲーション(詳細)
  • ★衝突被害軽減ブレーキ
  • ★マルチファンクションステアリング
  • ★LEDリアコンビランプ
  • ハロゲンヘッドライト+フォグランプ
  • オートエアコン
  • 15インチ アロイホイール
クーパーS
クーパーSD
  • ★衝突被害軽減ブレーキ
  • ★アクティブクルーズコントロール
  • ★マルチファンクションステアリング
  • ナビゲーション(詳細)
  • ETC内蔵自動防眩付きルームミラー
  • LEDヘッドライト+フォグランプ
  • LEDリアコンビランプ(★ユニオンジャックデザイン仕様)
  • オートエアコン
  • スポーツシート
  • 17インチ アロイホイール
    ※2016年4月に16から17インチに変更
ジョンクーパーワークス
(3ドアのみ)

2015年8月25日の仕様変更で、クーパーSは「ETCと自動防眩付きルームミラー」も標準装備となった。

関連リンク:3ドア/5ドアのオプション

5. 重要ポイント!5ドアの後席は3人掛け

ミニ5ドアの後部座席

ミニクーパー 5ドアのリアシート

5ドアの後部座席(3人掛け)

ミニ5ドアの後部座席の足元スペースは、3ドアより約3センチ広くなっている。これはボディが長くなっているため当然なのだが、もうひとつ大きな違いがある。それは、2人掛けから3人掛けになっていることだ。つまり、3ドアの4人乗りに対して、5ドアは後席に1名増えて5人乗りとなる。これは、広い狭いのレベルを飛び越えて大きな違いだろう。

写真を見ての通り、後席のセンター席は足元のドリンクホルダー部分をまたいで着座する必要があるため、快適とは言えない。だが、いざというときに5人乗れることは3ドアに対して大きなアドバンテージとなる。なお、5ドアと3ドアの車幅は同じだが車内空間幅は肘の高さにおいて約6センチ広くなっている。後席用のドアは、少し小さいが実用レベルにおいて不便はない。

ただし、後部座席は正直いって広くはない。包み隠さずにいうと、筆者の第一印象は「狭い」だった。3ドアよりは明らかに広いのだが、例えば、国産コンパクトカー(スイフトなど)や車内の広いボックス型の軽自動車と比べると、期待したほどの広さはない。MINIは低重心で天井が低いため、頭上の狭さもそれに拍車をかけている。バックレスト(背もたれ)の角度もきつめ。

少し筆者の主観も入るが、後ろに子供を乗せて快適なロングドライブができるのは、小学生までかなという印象だ。もちろん、日常の送り迎えなどはまったく問題ない。あくまで、数時間におよぶドライブが快適かという想定の話。「狭いのは絶対NG」ということならば、5ドアよりもはるかに広い後席をもつ「ミニクラブマン」をお勧めしたい。

ミニ3ドアの後部座席

ミニ3ドアの後部座席

3ドアの後部座席(2人掛け)

こちらはミニ3ドアの後部座席。後席用のドアがないため乗り降りの際には前席の背もたれを倒して前方に動かす必要がある

新型になってボディがひと回り大きくなったため、2007年に発売した先代モデル(R56)よりも広くなってはいるが、やはり狭い。これは実際に座ってみると気づくのだが、5ドアに比べてサイドウィンドウが小さいため、深いところに腰を下ろしているような圧迫感がある。さらに、運転席の後ろは運手者のシートポジションによって足元が非常に狭くなるため、ロングドライブには厳しい。3ドアの後席は日常的に使用するものではなく、必要に迫られた時に「2人まで座れる」という想定が現実的だ。

だが、このデメリットと引き換えに、3ドアは5ドアにはない魅力的なスタイリングを持っている。このポイントは強調しておきたい。

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6. MINIでも荷物を積める5ドア

ミニ3ドアとミニ5ドア トランクの違い

左:3ドア 右:5ドア

ミニ5ドアの長いボディは、ラゲッジルーム(トランク)の広さにも貢献している。3ドアより約30%広いラゲッジは日常の買い物には十分の広さだ。さらに、3ドア、5ドア共に後部座席の背もたれを倒せばスペースを縦方向に拡大することができるため、長尺物も積むことができる。とはいえ、スーツケースやゴルフバッグなど、大型の荷物を積むことが多い場合は、5ドアを中心に検討したい。

MINI主要モデルのサイズ・トランク容量

モデル 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) トランク容量
ミニ3ドア 3835 1725 1430 211L
ミニ5ドア 4000 1725 1445 278L
クラブマン 4253 1800 1441 360L
初代クロスオーバー 4150 1790 1550 350L
新型クロスオーバー
※2017年春に発売予定
4299 1822 1557 450L

7. 乗り心地は「ほぼ」同じ

ミニクーパー ホワイトシルバー

各メディアの試乗インプレッションや筆者体験を一言でまとめると「3ドアと5ドアの乗り心地に大きな違いはない」。

5ドアは3ドアよりも前輪と後輪の距離をしめすホイールベースが7センチ長い。一般的にホイールベースが長いほど直進安定性が高まり、大きな段差を乗り越えたときの突き上げがソフトになる。大型バスと小型バスの乗り心地の違いをイメージしてもらえば分かりやすいだろう。

だが、この3ドアと5ドアにおいては、購入を左右するほどの大きな違いはない。厳密には5ドアのほうがロングドライブ向きでソフトな乗り心地と言えるが、日常のドライブレベルではその違いを意識する瞬間は少ない。

ちなみに、ホイールベースが5ドアよりもさらに長いクラブマンは、あきらかにワンランク上の乗り心地が味わえる(筆者体験)。突き上げの大きい、凸凹した踏切などで、その違いは歴然だった。

8. 価格差は15~18万円

ミニビクトリア F56 F55 ONE 限定車 カラーバリエーション

写真は人気の限定車「ミニビクトリア

ミニ3ドアと5ドアの価格は、当然ながら5ドアの方が高い。3ドア/ワンに対して5ドア/ワンが15万円アップ。同様に5ドア/クーパーと5ドア/クーパーSが3ドアより18万円アップとなる。(ディーゼルモデルも同じ)

各グレードの標準装備は3ドアと5ドアで変わらないため、この価格差は純粋に5ドアの後部座席分になる。ある意味「3ドアを5ドアにするための15~18万円のオプション」といえるため、費用対効果を十分に検討しよう。後席の利用が少ない場合は、3ドアに別の18万円分のオプションを付けた方が良いこともあるだろう。

※表は2019年1月現在の価格(マイナーチェンジで価格上昇)

ガソリンエンジン

グレード 価格 エンジン
ワン 3ドア AT 256万円
MT 238万円
1.5L 3気筒 ターボ
102PS 180Nm
※1.2Lから1.5Lに変更
5ドア AT 271万円
クーパー 3ドア AT 312万円
MT 294万円
1.5L 3気筒 ターボ
136PS 220Nm
5ドア AT 328万円
クーパーS 3ドア AT 372万円
MT 354万円
2.0L 4気筒 ターボ
192PS 280Nm
5ドア AT 388万円

ディーゼルエンジン

グレード 価格 エンジン
クーパーD 3ドア AT 329万円 1.5L 3気筒 ターボ
ディーゼル
116PS 270Nm
5ドア AT 347万円
クーパーSD 3ドア AT 389万円 2.0L 4気筒 ターボ
ディーゼル
170PS 360Nm
5ドア AT 407万円

Check! ディーゼル「メリット・デメリット」を徹底解説!

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9. 売れ筋モデルは?

ミニクーパー モデルラインアップ

ミニ3ドアと5ドアは兄弟車といえるが、それぞれの特徴から売れ筋モデルは若干ことなる。

3ドアでは、利便性よりも走りそのものを楽しみたい方が多いため、最もスポーティでパワフルな「クーパーS」が人気。実際にMINIオーナーが集まるオフ会では、クーパーSの比率が高い。このほか、MINIの可愛らしいキャラクターが好きで、手が届きやすい価格帯の「ワン」も女性を中心に売れ筋となっている。ただし、ワンのルーフカラーはボディと同色となるため、いわゆる赤白ツートンの「ミニクーパー」に憧れがあるかたには、ルーフカラーが選択できる「クーパー」をお勧めしたい。

いっぽう5ドアでは、ディーゼルの「クーパーD」が人気となっている。利便性の高い5ドアは、スポーティな走りやスタイリングよりも、日常的に「使えるクルマ」を求める方が多い。そのため、低燃費で経済的、なおかつ低回転域から力強いディーゼルが好まれる傾向にある。かといって、他のモデルが不人気というわけではなく、低燃費かつパワフルに走りたい方にはディーゼルのハイパワー版「クーパーSD」、スポーティに走りたいが、さすがに3ドアではいざという時に不便という方には、「クーパーS」が唯一の選択肢となっている。

まとめ:ミニ3ドアとミニ5ドア選びのポイント

3ドアはデザイン重視の1人乗りメインにお勧め

ミニ3ドア ボルカニックオレンジ

3ドア クーパーS(ボルカニックオレンジ

ミニ3ドアは、MINIのデザインが大好きで、1人で乗る機会が多い方にお勧めしたい。なぜ2人ではなく1人かというと、3ドアの場合は助手席が実質の荷物置き場になるからだ。

これは先代MINIハッチバック(3ドア)に乗り、執筆現在は現行型の3ドアを所有している筆者の経験から言えるのだが、1人で出掛けた際には、助手席がバッグや上着、買い物袋などの荷物置き場になる。2人で出掛けた時は、それらを後部座席に置かなければならないのだが、これが地味に面倒だ。小さい物は運転席と助手席の間から後席に放り投げればいいのだが、大きめのバッグやカバン、かさばるダウンジャケットなどは、前席の背もたれを手前に倒して荷物を出し入れする必要がある。しかも、それらを後席から取り出すときが、放り投げる以上にめんどくさい。

購入前は「後席はドアがなくて狭いけど2人乗りまでなら大丈夫」と単純に考えていたのだが、思わぬ盲点だった。それでも筆者は3ドアのスタイリングやサイズ感が気に入っているため、その次の現行型MINIも3ドア一択だった。1人乗りメインならば問題ないが、2人乗りが多い場合は、5ドアの検討もお勧めしたい。

5ドアは使いやすさ重視の2~4人乗りにお勧め

ミニ5ドア クーパーs ブレイジングレッド

5ドア クーパーS(ブレイジングレッド

ミニ5ドアは、後部座席とラゲッジスペースが普通に使えるクルマのため、誰にでもお勧めできる。前項で述べたように後席はけっして広くはないが、家族4~5人でドライブしたり、仲間とちょとしたキャンプに出掛けることもできるだろう。もし筆者が「どのMINIがお勧め?」と聞かれたら、まずは5ドアの名を上げるつもりだ。

ただし、この万能性と引き換えに「MINIのデザイン的な魅力」は弱まっていると言わざるを得ない。3ドアに比べると趣味性の高い車としては、どこかスペシャル感が薄い。もちろんデザインは好みの問題なのだが、あえて厳しく言うと「MINIとしては平凡なデザイン」というのが筆者の率直な感想だ。それでも、実際に所有してしまえば間違いなく楽しいカーライフを与えてくれるのがMINIの魔力。この点は、現MINIオーナーとして約束しておこう!

Check! ミニ5ドア クーパーSの試乗レポート

text by minicooper-sketch.com

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★追記:2018年5月にマイナーチェンジ

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