MINIクロスオーバー(F60)グレード別 外装デザインの違い
MINI最大のボディサイズをもつSUVスタイルの「MINIクロスオーバー(F60)」。「先代クロスオーバー(R60)」よりも力強く勇ましいスタイリングを採用し、内装のデザインや走りのテイストは、本格的なプレミアムカーを感じさせるレベルに進化した。
当記事では、クロスオーバーの各モデルにおける、外装デザイン(エクステリアデザイン)の違いについて徹底的に解説しよう。
NEWS2020年秋にMINIクロスオーバーがマイナーチェンジ!
MINIクロスオーバーのラインナップ
メインモデルは「クリーンディーゼル&4WD」
MINIクロスオーバー(F60)のモデルラインナップは、デビューイヤーの2017年時点で、エントリーモデル(入門モデル)の「ワン」、スタンダードモデル「クーパーD」と、その4WD仕様となる「クーパーD ALL4」、スポーツモデルの「S」が付けられた「クーパーSD ALL4」、MINI初のハイブリッドモデルとなる「クーパーS E ALL4」、そしてハイパフォーマンスモデルに君臨する「ジョンクーパーワークス(ALL4)」がリリースされた。
その翌年には、スタンダードモデルの「クーパー」と、そのスポーツモデル「クーパーS」を追加。外装のデザインは、「クーパー」と「クーパーD」、「クーパーS」と「クーパーSD ALL4」が共通となっている。
「D」が付くモデルはトルクと燃費に優れた「クリーンディーゼルエンジン」を搭載しており、クロスオーバーの売れ筋モデルとなっている。「D」が付かない「ワン」「クーパー」「クーパーS」「ジョンクーパーワークス」は、ディーゼルよりも静粛性に優れたガソリンエンジンを搭載している。
動力性能が高いモデル、つまり車両価格が高いモデルほどスポーティな外装デザインが採用されており、いっけん気がつかない小さな装飾にもそのモデルのキャラクターを反映したデザインが施される。
- ガソリン:ワン/クーパー/クーパーS
- ディーゼル:クーパーD/クーパーD ALL4
- ディーゼル:クーパーSD ALL4
- ハイブリッド:クーパーS E ALL4
- ガソリン:ジョンクーパーワークス
※「ALL4」が付くモデルとジョンクーパーワークスは4WD仕様。
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1. ワン
ルーフカラーはボディと同色のみ
色:ミッドナイトブラック メタリック
「ワン」は、1.5リッター3気筒のガソリンターボエンジン(102ps/180Nm)を搭載したエントリーモデル。動力性能を抑え、他のグレードで標準装備となっている衝突被害軽減ブレーキやレザーステアリング、オートエアコンなどを省き、クロスオーバーで最もお求めやすい価格となっている。
しかし、ワンのルーフカラーはボディと同色のみという制限が設けられている。MINIのカラーリングはルーフカラーとボディカラーのツートンが魅力の1つだが、残念ながらワンではそのコンビネーションを楽しむことができない。このルールは、MINI3ドア/5ドアやクラブマンのワンにも共通となる。
実際にワンを検討するときには「ルーフカラーが選べない」という点を許容できるかどうかが重要なポイントになる。
なお、ワンはフロントフェイスを印象付ける「LEDヘッドライト」がオプションで選択できない。そのため標準装備のハロゲンヘッドライトが基本になるが、2017年10月に発売したワンをベースにした特別仕様車「バッキンガム」には、特別にLEDヘッドライトが装備されている。
テールパイプはシングル 左側1本出し
マフラーは左側に1本出しのシングルエキゾーストテールパイプ。ワンは吹け上がりの良いガソリンエンジンのため、積極的にアクセルを踏んで高回転まで回せば、ディーゼルモデルよりも軽快なサウンドを楽しむことができる。
標準装備の16インチホイール
ワンの標準ホイールは写真の「16インチ アロイホイール リヴォレットスポーク シルバー(タイヤ:205/65 R16)」。上位グレードよりも1~2インチ小さなホイールになるが、基本的に小径ホイールの方がタイヤサイズの影響によって乗り心地がマイルドになる。そのため、街乗りでゆったりしたドライブが似合うワンには最適なサイズだ。
2. クーパーDとクーパーD ALL4
フロントグリルは3本のブラックバー仕様
色:アイランドブルー メタリック&ブラックルーフ
「クーパーD」と、その4WDモデルとなる「クーパーD ALL4」は、2リッター4気筒のディーゼルターボエンジン(150ps/330Nm)を搭載したスタンダードモデル。1.5リッター3気筒のガソリンターボエンジンを搭載する「クーパー」も、クーパーDと同じ外装デザインとなる。
大きく開いたフロントグリルは、3本のブラックバー仕様(前項のワンも同じ)。車幅を大きく感じさせ、平穏で落ち着いた印象のフロントフェイスとなっている。フロントバンパー中央の通気口はタテヨコの格子デザインを採用。
写真の車両は、オプションの「アダプティブLEDヘッドライト&LEDフォグランプ(143,000円)」を装着。
テールパイプはシングル 左側1本出し
マフラーは左側に1本出しのシングルエキゾーストテールパイプ。車格のわりに控え目だが肉厚のあるパイプのためチープ感はない。
写真の車両は、ナンバープレート下に「COUNTRYMAN(カントリーマン)」という海外名のモデルレターが貼り付けられているが、国内ではクロスオーバーという車名に変更されているためモデルレターも「CROSSOVER」となる。この装飾は全モデル(グレード)共通。ちなみに、海外名の「COUNTRYMAN」に貼り換えるカスタムはコアなMINIファンの中で定番メニューの1つ。
ALL4エクステリア装着
色:チェスナットブラウン ソリッド&ブラックルーフ
光沢のあるブラックのフロントバンパーとリアバンパーは、オプションの「MINI ALL4 エクステリア スタイリング(53,000円)」。SUVらしい押しの強さを強調したデザインで、外装のイメージを大きく変える。シルバーのアンダーガードも備わり、悪路もグングン駆ける抜けるような力強いイメージが魅力。なお、ボディサイドのアンダーガードは全モデルで標準装備となる。
オプションの「ホワイトボンネットストライプ(20,000円)」と組み合わせると、重厚感のあるクロスオーバーをポップでアクティブなイメージにチェンジする。
ALL4エクステリア&クロームラインエクステリア装着
色:ライトホワイト ソリッド&ブラックルーフ
「MINI ALL4 エクステリア スタイリング」とオプションの「クロームラインエクステリア(24,000円)」を装着した車両。
クロームラインエクステリアを装着すると外装の一部のパーツがクロームメッキパーツ(鏡面仕上げ)に変わる。煌びやかでクラシカルな「ミニクーパー」のイメージに近づけることができるため、クロスオーバーに限らずMINIの全モデルで定番のオプションとなっている。
クーパーDとクーパーD ALL4の場合は、フロントグリルの3本バーが艶ありブラックからクロームに変更、同様にフロントバンパーのスモールランプ&フォグランプを取り囲む部分がボディカラーからクロームに、サイドスカットル(ドアミラー前方下の装飾)は樹脂の艶なしブラックからクロームに、テールゲートハンドル(荷室を開けるドアノブ)は艶ありブラックからクロームになる。
大きなクロスオーバーを「MINIらしくオシャレに可愛くしたい」場合にお勧めしたい。とくに、フロントグリルのクロームバーはフロントフェイスの印象を大きく変えるため、慎重に検討しよう。購入前はキラキラ感のあるクロームパーツが魅力的に見えるが、長く所有していると過剰な装飾に感じてきてしまう場合もある(MINIを乗り継いでいる筆者(当サイト運営)の経験から)。
標準装備の17インチホイール
クーパーDとクーパーD ALL4の標準ホイールは写真の「17インチ アロイホイール インプリントスポーク シルバー(タイヤ:225/55 R17)」。太めのスポークが大きなボディとマッチしたクセのないデザイン。
サイドスカットル
ドアミラーの前方下にあるサイドスカットルは、主張しすぎないオーソドックスなデザイン。オプションの「クロームラインエクステリア」を選択するとクロームメッキ仕上げとなる。
4WDのクーパーD ALL4は、フロントドアの下段に「ALL4(オールフォー)」のエンブレムが備わる。外装においてクーパーDとの唯一の違いはこのエンブレムのみ。
ハロゲンヘッドライトとLEDヘッドライトの比較
クーパーDとクーパーD ALL4に標準装備されるヘッドライトは、左側のハロゲンヘッドライト。右側はオプションの「アダプティブLEDヘッドライト&LEDフォグライト(143,000円)」。LEDヘッドライトを選択するとテールライトもLEDになる。
LEDヘッドライトはハロゲンヘッドライトよりも明るく消費電力が少ないのが特長だが、デザインが異なる点も十分に理解しておきたい。ハロゲンヘッドライトはターンインジケーター(ウインカー)が下側にあるが、LEDヘッドライトは内側にあるため、前方に勢いを感じさせる鋭い顔つきになる。さらに、LEDヘッドライトはライト周辺を囲むようにLEDデイライトリング(昼間用のライト)が備わっており、新世代のクルマらしいスタイリッシュなフロントフェイスになる。素朴で優しい印象のハロゲンヘッドライト、モダンで精悍な印象のLEDヘッドライト、この違いは非常に大きい。
だが実際には、MINIディーラーの展示車や在庫車のほとんどは、はじめからLEDヘッドライトをオプション装着しているため、あえてハロゲンヘッドライトにしたい場合のみ参考にしてほしい。
中古車を購入するときにも注意が必要だ。相場よりも安い中古車はハロゲンヘッドライトが想定されるため、LEDヘッドライトを装着しているかどうか事前にチェックしておこう。契約後に「ハロゲンだった」ということがないようにしたい。
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3. クーパーSD ALL4
フロントグリルはスポーティなメッシュ仕様
色:アイランドブルー メタリック&ホワイトルーフ
「クーパーSD ALL4」は、2リッター4気筒のディーゼルターボエンジン(190ps/400Nm)を搭載した4WDのスポーツモデル。クーパーDやクーパーD ALL4と同じエンジンだが、こちらはその高出力版となっている。ちょっと踏み込めば「S」ならではの加速感を味わうことができる。
2リッター4気筒のガソリンターボエンジンを搭載する「クーパーS」も、クーパーSD ALL4と同じ外装デザインとなる。
フロントグリルは六角形のメッシュデザイン。メッシュは未塗装の黒い樹脂で、ボディのツルッとした質感とは異なる。3本バー仕様となるクーパーD(ALL4)に比べ、男性的でスポーティなフロントフェイスとなる。まとめると「クーパーにはバー」「クーパーS以上にはメッシュ」、これはクロスオーバーに限らず「MINIクラブマン」などにも共通するMINIのデザインルールとなる。
実際の話、MINIのグレードを選択する際に「クーパーSのメッシュグリルよりもクーパーのグリルの方が好み」という理由で、クーパーを選ぶ方も少なくない。動力性能も普通に走る分にはクーパーで十分という背景もある。裏技的なカスタマイズだが、クーパーSにクーパーのグリルを付けることもできるので、気になる方はMINIディーラーまたは「MINIに詳しいカスタムショップ」に相談してみよう。
フロントバンパーのデザインはクーパーD(ALL4)と共通だが、中央の通気口の形状は異なる。フロントグリルと同じ六角形のメッシュになっており、スポーティなフロントを陰ながら演出している。
テールパイプはツイン 左右2本出し
クーパーSD ALL4のマフラーは、2本出しのツインエキゾーストテールパイプ。左右のマフラーは低重心かつ速さを感じさせる重用なポイント。リアバンパーのデザインは、クーパーD(ALL4)と共通。
トップのルーフレールとサイドのアンダーガードは、全てのモデルで標準装備。
ALL4エクステリア装着
色:アイランドブルー メタリック&ホワイトルーフ
光沢のあるブラックのフロントバンパーとリアバンパーは、オプションの「MINI ALL4 エクステリア スタイリング(53,000円)」。スポーティなクーパーSD ALL4に装着すると、ワイルドな押しの強さがより一層強調される。
写真の車両はホワイトルーフ&ホワイトボンネットストライプ仕様のため、親しみのもてるポップさとSUVならではのどっしりとした重量感がクルマの上下で分かれていて、とびきり個性的な1台に映る。街中よりも湖畔のキャンプ場などでじっくり眺めてみたいと思わせる組み合わせ。
色:下 ミッドナイトブラック メタリック&ブラックルーフ
いっぽう、ライトホワイトのボディとブラックルーフに「MINI ALL4 エクステリア スタイリング」を組み合わせると、わかりやすい白&黒のツートーンカラーとなる。パンダカラーとなり、これはこれで面白い。クルマをめいっぱい楽しんでいるオーナーが目に浮かぶ。
ミッドナイトブラックのボディとブラックルーフでは、ボディカラーに溶け込んで一体になり筋肉質的なカタマリ感がでる。筆者の個人的な感想だが、このバンパーは、あえて目立ちにくいブラックボディと合わせるのがカッコイイかもしれない。
ALL4エクステリア&クロームラインエクステリア装着
「MINI ALL4 エクステリア スタイリング」と、同じくオプションの「クロームラインエクステリア(24,000円)」を装着した車両。
クーパーSD ALL4にクロームラインエクステリアを選択すると、フロントバンパーのスモールランプ&フォグランプを取り囲む部分がボディカラーからクロームに、テールゲートハンドル(荷室を開けるドアノブ)は艶ありブラックからクロームに変更される。
クーパーD(ALL4)のクロームラインエクステリアより変更される箇所が少ないため、ルックスに劇的な変化はないが、ワイルドなクロスオーバーにMINIならではの華やかでクラシカルなポイントを付け加える。クロームパーツは、ブラックなどのダーク系のカラーに組み合わせると、シックな高級感を演出することもできるため、ボディカラーとセットで検討することをお勧めしたい。
JCWエアロダイナミックキット装着
色:メルティングシルバー メタリック&ブラックルーフ
色:チリレッド ソリッド&ブラックルーフ
クーパーSD ALL4にハイパフォーマンスモデルの「ジョンクーパーワークス」に標準装備されている「John Cooper Works エアロダイナミックキット」をオプション装着した車両。
標準のフロントバンパーよりも左右に力強く張り出した通気口が特徴で、一段と迫力のあるスポーティなフロントフェイスとなっている。バンパー中央部の開口も大きく、その下のフロントリップにも風を感じさせるエアロチックなデザインが施されている。重量感のあるSUVから、オフロードを爆走するレーシングマシンのようなイメージに近づく。
通常、MINIのエアロキットは購入後にディーラーで後付けすることも可能だが、パーツ代金に加えて塗装費用と取り付け工賃がかかるため、非常に割高になってしまう。そのため、付けるかどうか迷った場合は、新車オーダー時に選択しておくことを強くお勧めしたい。
※「John Cooper Works エアロダイナミックキット(オプションパッケージに含まれる)」の国内導入時期についてはMINIディーラーに要問合せ。(2017年5月現在)
標準装備の18インチホイール
クーパーSD ALL4の標準ホイールは写真の「18インチ アロイホイール ペアスポーク シルバー(タイヤ:225/50 R18)」。クーパーD(ALL4)標準の17インチホイールよりも細いスポークデザインで、その隙間から見えるブレーキローターが俊敏な走りを予感させる。当ホイールはクーパーD(ALL4)にもプラス92,000円で選択が可能。
なお、クロスオーバーのホイールはオプションで18インチから19インチまで用意されている。19インチはプラス20万円ほどかかるが、大きなボディとの相乗効果でサイドビューのルックスは抜群に向上する。
標準装備のLEDヘッドライト&テールライト
クーパーSD ALL4以上のモデルには「アダプティブLEDヘッドライト」と「LEDフォグライト」「LEDテールライト」が標準装備。
LEDヘッドライトには、円状に光るLEDデイライトリングが搭載されている。デイライトとは安全性向上のため明るい昼間に点灯させるライトで、エンジン始動と共に強制的に点灯する(消灯はできない)。このデイライトリングが発光すると、新しいモデルならではの未来的なフロントフェイスをつくる。
LEDヘッドライトは明るく省エネはもちろんのこと、アダプティブ(コーナリングライト)仕様となっているため、夜間の左折や右折で見えにくいコーナーの内側を自動で照らしてくれる。さらに、視界が狭くなる高速道路の走行では、照射範囲の幅を拡大して安全運転をサポートするインテリジェンスな機能付き。
サイドスカットル
ドアミラーの前方下にあるサイドスカットルは、フロントグリルのメッシュをイメージしたベースに「S」のエンブレム。その周りはクロームメッキで仕上げられており、小さなパーツながらも存在感はなかなかのもの。
リアの右側には「COOPER SD」のエンブレム。フロントドアの下段には「ALL4」のエンブレムが備わる。
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4. クーパーS E ALL4(ハイブリッド)
クーパーSD ALL4と同じデザイン
色:メルティングシルバー メタリック&ブラックルーフ
「クーパーS E ALL4」は、1.5リッター3気筒のガソリンターボエンジンと電気モーターを組み合わせたMINI初のプラグインハイブリッド(PHV)モデル。前輪をガソリンエンジン、後輪をモーターで駆動する4WDシステムを搭載。家庭用の200Vコンセントから充電が可能で、短距離ならば二酸化炭素をいっさい排出しない電気のみのEV走行ができる。次世代カーでありながらも、車両価格はクーパーSD ALL4より4万円安いところがポイント。
他のモデルと比べ、まったく異なるテクノロジーをもったモデルだが、外装のデザインは基本的にクーパーSD ALL4と同じ。いかにも電気自動車という未来を先取りしたようなデザインではないので、クロスオーバーのバリエーションの1つとして受け入れやすい。
テールパイプはシングル 左側1本出し
クーパーS E ALL4は「S」が付けられたスポーツモデルでもあるが、マフラーは左側に1本出しのシングルエキゾーストテールパイプとなる。スポーツモデルとしては物足りなさも感じるが、排気ガスの少ないクリーンなイメージのハイブリッドにはスマートに映える。
大容量のリチウムイオン電池は後部座席の下に格納されている。その電池に充電するためのソケットは左側のサイドスカットルに設置。
写真のホイールは「18インチ アロイホイール ピンスポーク ブラック(タイヤ:225/50 R18)」。標準装備は同ホイールのシルバー仕様となる。
細部に電気をイメージさせるイエローを加飾
細部には電気で駆動するハイブリッドならではの装飾が加えられている。フロントグリルの「S」エンブレムはレッドからイエローに変更、リアの左側にはエレクトリックの「E」をあしらったバッチ、充電ソケットを備えたサイドスカットルも電気自動車らしいサイバーチックなデザインになっている。
つまり「わかる人にだけ、わかる」のが、クロスオーバーのハイブリッドモデル。新世代のテクノロジーカーとはいえ、MINIのデザインコンセプトの元となっているクラシカルな気持ちよさを安易に捨てていないところが、いちMINIファンとして嬉しい。
関連記事:プラグインハイブリッドの特長と装備
5. ジョンクーパーワークス
迫力のJCWエアロダイナミックキットを標準装備
色:チリレッド ソリッド&ブラックルーフ
「ジョンクーパーワークス(略称:JCW)」は、2リッター4気筒のガソリンターボエンジン(231ps/350Nm)を搭載した4WDのハイパフォーマンスモデル。クロスオーバーで最高出力を誇るガソリンエンジンに、ブレンボと共同開発した強化ブレーキ、スポーツサスペンションなど、走りの質を根底からレベルアップしたプレミアムかつレーシーなスペシャルモデル。
フロントグリルはクーパーSD ALL4 などと同じくスポーティなメッシュ仕様。グリルの内側にはレッドフレームが追加され、ひとめでジョンクーパーワークスだと認識することができる。メッシュの右側には「John Cooper Works」のエンブレムが誇らしげに飾られる。
「John Cooper Works エアロダイナミックキット」が標準で備わっているため、迫力のあるフロントバンパーが内に秘めたパフォーマンスをいっそう引き立てる。
なお、このフロントバンパーはクーパーSD ALL4にもオプション装備することができるが、ジョンクーパーワークスの場合は、左右にあるスモールライトとフォグライトが撤去され、サブラジエーターを冷却するためのダクトに代わる。丸いライトが省略されることによって、よりアグレッシブなルックスとなっている。スモールライトはLEDヘッドライトで代用。
エアロ形状のリアディフューザー
マフラーは左右2本出しのツインエキゾーストテールパイプ。レイアウトこそクーパーSD ALL4と同じだが、ジョンクーパーワークスのマフラーは、レーシングカーのような気持ちの良いサウンドにチューニングされている。
リアバンパーのアンダーにあるリアディフューザーは、エアロ形状を採用したジョンクーパーワークス専用のデザイン。リアバンパーのデザインは他のモデルと共通だが、このディフューザーによってスポーティなモデルであることを十分に感じさせる。
標準装備の18インチホイール
※写真はクーパーSD ALL4
ジョンクーパーワークスの標準ホイールは写真の「18インチ John Cooper Works スリルスポーク(タイヤ:225/50 R18)」。ブラック&シルバーの2トーン仕様。ハイパフォーマンスモデルに相応しいアグレッシブなデザインが特徴。
オプションの19インチホイール
写真はオプションの「19インチ John Cooper Works コーススポーク 2トーン(タイヤ:225/45 R19)」。ブラック&シルバーの大胆で力強いデザイン。丸みのあるエッジにMINIらしさも残す。標準のスリルスポークとはデザインの方向性が異なり、特別なクロスオーバーにオリジナリティと重量感を演出する。
トップのルーフレールとボディサイドのアンダーガードは、他のモデルではシルバーだがジョンクーパーワークスだけはハイグロス・ブラック(艶黒)になる。ブラックになると目立たなくなりSUVらしさは薄まるが、その代わりにボディ全体が引き締まってみえる。ボディサイドにあるブラックのストライプ(ライン)はオプション。
サイドスカットルと専用の強化ブレーキ
サイドスカットルにもちゃんと変更が加わっている。メッシュの背景をベースに「John Cooper Works」のエンブレム、その周りはジョンクーパーワークスを象徴するレッド仕様。写真のボディカラーはチリレッドだが、ブラックボディにはこのレッドのサイドスカットルは注目ポイントになる。
右の写真は、ジョンクーパーワークスのためにブレンボと共同開発した強化ブレーキ。大径のホイールから見えるロゴ入りのレッドブレーキキャリパーが本格的なスポーツモデルというオーラを放っている。
跳ね上がった形状のリアスポイラー
ルーフエンドにあるリアスポイラーも、ジョンクーパーワークスのみダックテールのように上に跳ね上がった形状となる。ちょっとした違いだが、スタイリングに躍動感がうまれる重要なポイント。先にも述べたが、ブラック化されたルーフレールとの相性も良い。
なお、このリアスポイラーは、クーパーSD ALL4にもオプション(26,000円)で用意されている。
まとめ
どちらを選ぶ? 「SUVらしさ」と「MINIらしさ」
クロスオーバーは、オプションの「MINI ALL4 エクステリア スタイリング(53,000円)」を装着することによって、外装デザインの印象を大きく変えることができる。これは同世代のMINIブランドの中で同格のボディサイズをもち、唯一の競合モデルとなる「MINIクラブマン(F54)」にはない選択肢だ。
クロスオーバーをアウトドアシーンにマッチするアクティブなSUVにしたい場合は、ALL4 エクステリアを積極的に検討したい。特に高出力の上位グレードとなるクーパーSD ALL4には、スポーティなメッシュグリルと刺激的な動力性能と相まっていっそう効果的に魅せてくれる。艶ありのブラック部分が外観の主導権を握るため、ボディカラーとの組み合わせは熟考したい。ルーフカラーとの相性は、全体的な統一感という点ではブラックルーフのほうが優れるが、ポップなカラーリングで周囲を楽しくさせるホワイトルーフも捨てがたい。
いっぽう、そんなワイルドなクロスオーバーをクラシカルでオシャレな「元祖ミニクーパー」のイメージに引き寄せるのが、オプションの「クロームラインエクステリア(24,000円)」。クーパーD(ALL4)に装着すれば、クロームメッキの光り輝くフロントグリルがSUVの勇ましさ隠して、親しみのある「MINIらしさ」を強めてくれる。例えば「車内や荷室の広さでクロスオーバーにしたいけど、外観はカワイイMINIがいい」という方にはお勧めだ。
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