超お勧めオプション「MINIドライビングモード」とは?
Post 2018/5/27
「MINIドライビングモード」は、MINIに2つの走行モードが追加されるメーカーオプション。第3世代(2014年4月~)のMINIから採用され、走りを楽しみたい方に人気のオプションとなっている。
走行モードを切り換えるとドライブフィールが変わって、まったく別のクルマに乗っているかのように新鮮な気分を味わうことが出来る。そのため、スポーティに走りたい方はもちろんのこと、長距離ドライブが多い方にも「気分リフレッシュモード」としてお勧めだ。
筆者もMINIに乗るたびに、MINIドライビングモードで走行モードを切り換えて楽しんでいる。
Contents
- 「スポーツ」と「エコ」の走行モードが選択可能
- Sモードとの組み合わせで楽しさ倍増!
- 注意!スイッチは年式によって異なる
- 一部のグレードのみ標準、その他はオプション
- カスタムショップで後付けが可能!
- まとめ
「スポーツ」と「エコ」の走行モードが選択可能
ステアリング前方のインフォディスプレイに選択中の走行モードが表示される
MINIドライビングモードには「SPORTモード」と「GREENモード」の2つが用意されている。これに標準の走行モードである「MIDモード」を加えると、合計で3つの走行モードを選択することができる。
エンジン始動時は必ず「MIDモード」となるが、車両のプログラム設定を変更する定番のカスタマイズ「コーディング」を行えば、好きなモードをエンジン始動時のデフォルトに設定することができる。燃費に優しいGREENモードへの変更が人気だ。
▼ SPORTモード
SPORTモードにするとLEDがレッドに変わり走る気分を盛り上げる(写真の画面デザインはマイナーチェンジ前のもの)
「SPORTモード」は、その名の通りスポーティでキビキビ元気よく走るためのモード。アクセルレスポンスが機敏になり、ハイスピードでも繊細なハンドリングがしやすいようにステアリングが重くなる。高回転まで回せば、アクティブサウンドデザイン(ASD)機能によって誇張されたエンジンサウンドがスピーカーから鳴り響いて、やんちゃな気分を盛り上げてくれる。
さらに、ガソリンエンジンのクーパーSやジョンクーパーワークスの場合は、そこにスポーティな排気音もプラスされる。例えば、マニュアルモードでグッと高回転まで回した後にアクセルを戻すとテールパイプから「ポポポッ」というホットなサウンド(バブリング音)が耳に届く。クーパーSの場合は控え目だが、日常から離れてレーシングドライバー気分にさせてくれる嬉しい演出だ。もちろん、スポーツマフラーに換装すれば、さらに「やんちゃなサウンド」が手に入る。
追記:マイチェンで排気音がマイルドに
2021年5月に実施された2度目の「マイナーチェンジ(詳細)」で仕様が変更され、クーパーS(3ドア/5ドア/コンバーチブル)のバブリング音は鳴らなくなった。
ディーゼルエンジンのクーパーSDには、このような排気音の演出はないが、アクセルを少し踏むだけで太いトルクを活かした飛び出すような加速が楽しめる。高回転まで回した時のエンジンサウンドは、ガソリンエンジンには及ばないものの、なかなかの迫力を魅せる。ガソリンエンジンが「快音」だとするとディーゼルエンジンは「轟音(ごうおん)」だ。常用する回転域が少し上がるため、ディーゼル特有の低回転域の振動が軽減されるという副次的なメリットもある。
SPORTモードでは走行中の出力とトルクをリアルタイムで表示するスポーツインストルメントが使用可能
オプションのダイナミックダンパー(マイナーチェンジでアダプティブサスペンションという名称に変更)が装着されていると、電子制御によってサスペンションが路面の状態をダイレクトにフィードバックする引き締まった設定に変化する。ちなみに、ダイナミックダンパーは希少なオプションのため、中古車で探すのは困難な状況だ。
SPORTモードは楽しい反面、燃費に厳しいのがデメリット。ステアリングが重くなるため、交差点で右折左折の多い街乗りにも適さない。そのため、使う人と使わない人がハッキリと分かれるモードといえるが、燃費を気にせず日常的にガンガン加速して走りたい方には、なくてはならないモードだ。とくにガソリンエンジンのレスポンスの良い吹き上がりや排気音を楽しみたい方には絶対的にお勧めしたい。
▼ GREENモード
GEEENモードにするとLEDがグリーンに変わる(写真の画面デザインはマイナーチェンジ前のもの)
「GREENモード」は、燃費を優先した走行モード。いわゆる「エコモード」で、アクセルレスポンスが緩やかになり、エアコンやシートヒーター、ドアミラーヒーターの効きを弱めることによって燃費を総合的に向上させる。
さらに、約50km/hで走行している時にエンジンとトランスミッションを切り離してアイドリング状態で惰性走行するセーリング(コースティング)機能も備えている。例えば、目前の信号で止まることが予測できるときに、早めにアクセルを戻せば、セーリング機能によって惰性走行に切り換わり自転車の様に「スーっ」と減速していくことができる。
セーリングの低燃費効果は、ストップ&ゴーの多い街乗りはもちろんのこと、流れの良い郊外路でも大きい。目に見えて燃費が伸びるため、積極的に選びたくなるモードだ。筆者の場合、燃費は10~15%ほど向上する。一例だが、ディーゼルのMINI3ドア クーパーSDで郊外路を1~2時間ドライブすると、20km/L前後の燃費を達成できる。セーリングをフル活用してエコ走行に徹すれば条件次第でカタログ燃費を超える24km/Lオーバーも可能だ。
燃費を節約するための各機能を個別にオンオフ可能
デメリットはアクセルレスポンスが他のモードに比べて緩やかになるため、素早く加速したい時に「グッ」と踏み込んでも意図した力強さが即座に得られないこと。とはいえ、市街地や郊外を流れに合わせて普通に走る分には十分。とくに、クーパーSやクーパーSD、ジョンクーパーワークスならば、もともと十分以上の動力性能があるため、それほどストレスを感じない。スポーティな加速を日常的に楽しみたい方でなければ、どんな場面でも使える常用モードとして活用できるレベルにある。
筆者は、燃費が飛躍的に伸びる郊外路や自動車専用道路、ゆったり景色を楽しみながらの長距離ドライブなどでGREENモードを積極的に使っている。このほか、残りの燃料が少ない時やガソリン価格が高騰した時にも、思わずGREENモードに手が伸びる。
▼ MIDモード(標準)
「MIDモード」は、標準の走行モード。MINIドライビングモードを装備していない車両は、このモードのみで走ることになる。
標準というだけあって、もっともバランスのとれたドライブフィールが楽しめる。少し意識してアクセルを強く踏み込めば、十分に速い加速を魅せてくれる。SPORTモードはもっと刺激的だが同時にステアリングも重くなるため、市街地で右へ左へとキビキビ走りたい場合は、MIDモードのほうが素直で楽しい。
クーパーSやクーパーSD、ジョンクーパーワークスの場合は、MIDモードでも十分以上に速いため、流れに合わせてゆったり走る方にはGREENモードの方が扱いやすい面もある。なかでも低回転域のトルクが太いクーパーSDとハイパワーのジョンクーパーワークスでは、GREENモードを日常モードとして使って、MIDモードをSPORTモードという位置づけとしても良いくらいだ。
お目当てのMINIに試乗して標準のMIDモードが「うわっ速い!」と感じた方は、オプションのMINIドライビングモードを付けて、GREENモードの常用をお勧めしたい。
各モードの動作状態をまとめた表
MINIドライビングモード | SPORT | MID | GREEN |
---|---|---|---|
エンジン | スポーティ | 標準 | エコ |
トランスミッション | スポーティ | 標準 | エコ |
ステアリング | スポーティ | 標準 | 標準 |
サウンド | スポーティ | 標準 | 標準 |
ダイナミックダンパー ※追加オプション |
スポーティ | 標準 | 標準 |
※表はメーカー発表の資料を元に作成
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Sモードとの組み合わせで楽しさ倍増!
実質「6つの走行モード」が選択可能に
レバーを左に倒すと「Sモード」に入る(左:6速AT 右:7速DCT)
MINIドライビングモードは、標準機能の「スポーツプログラムモード」と組み合わせることができる。つまり、通常のGREENモードと「スポーツプログラム+GREENモード」では、異なったドライブフィールが楽しめる。
スポーツプログラムモード(以下、Sモード)とは、通常よりも高回転域を使用するシフトプログラムになるモードで、すべてのモデルに標準装備されている。シフトレバーを左に倒すとSモードに切り換わり、エンジンが通常よりも多く回っている感触をハッキリと感じとれる。アクセルレスポンスもシャープになるため、筆者はMINIドライビングモードのSPORTモードよりも、このSモードの方がスポーティな気分に浸ることができる。ちなみに、アイドリングストップは強制オフになるため、燃費はそれなりに悪化する。
ディーゼルエンジンのクーパーDとクーパーSDの場合は、加速時の「ぐおーん ゴロゴロ~」というエンジン音が大きくなるが、回転域が上がることによってディーゼル特有の低回転域の振動が大幅に軽減するため、全体的にガソリンエンジンのドライブフィールに近くなる。ただし、大きなエンジン音を騒音と感じる方も多いと考えられるので、一長一短の機能といえる。
このSモードを選択しているときに、MINIドライビングモードのSPORTモードやGREENモードに切り換えると、通常とはひと味違う「エンジンを回す気持ち良さ」がプラスされた走りを楽しむことができる。「Sモード+SPORTモード」は、エンジンとドライバーが呼吸を合わすかのように意のままに加速していく。ガツンと踏めば、水を得た魚のようにエンジンサウンドも華やかになる。筆者だけかもしれないが「Sモード+GREENモード」が意外と面白く、加速のレスポンスそのものは控えめながらも、エンジンが吹きあ上がっていく気持ち良さを街乗りレベルでも楽しむことができる。ただし、惰性走行で燃費を稼ぐコーディングは無効になる。
まとめると、MINIドライビングモードがあれば「SPORTモード」「GREENモード」「標準 MIDモード」「Sモード+SPORTモード」「Sモード+GREENモード」「標準 Sモード+MIDモード」で、合計6つの走行モードが選択できる。
ちなみに、Sモードの状態でシフトレバーを前後に入れるかステアリングのパドルシフト(オプション)使うと、マニュアルモードに移行する。マニュアルモードは任意のタイミングでシフトアップとシフトダウンが行えるモードで、その時に選択しているMINIドライビングモードの特性も反映される。そのため、前述の6の走行モードにマニュアルモードも加えると、厳密には合計で9つの走行モードが選択できることになる。
注意!スイッチは年式によって異なる
2017年7月からトグルスイッチ型に変更
回転スイッチ型
トグルスイッチ型(2017年7月生産分から)
MINIドライビングモードのスイッチは2種類ある。1つはシフトレバーの根元にあるリング状の「回転スイッチ型」で、ツマミを左右に少し回転させて走行モードを選択する。2017年7月生産分からは、ダッシュボード側に配置した「トグルスイッチ型」で、上下に動かして走行モードを選択する。
残念ながらルックスも操作性も、変更前の回転スイッチ型の方が優れている。走行モードは運転中の状況の変化でとっさに変更したくなることが多いため、手元を見ないで直感的に触ることができる位置にスイッチが欲しい。その点、変更前のスイッチはかなり良い位置にある。
例えば、渋滞の続く市街地から郊外路に入り「スカッとSPORTモードで走りたい!」と思ったときに、回転スイッチ型ならば左手をシフトレバーの方向にやれば、迷うことなく確実に切り換えることができる。変更後のトグルスイッチ型の場合は、体格やシートポジションにもよるが、やや左前方下に手を伸ばしながら一番右のスイッチをさわる意識を強くもつ必要がある。そうしないと、同じ形状の左隣りのスイッチと間違えてしまう恐れがあるからだ。手前のカップホルダーに500mlのペットボトルがあると、手先が当たってしまうのも気になった。たまに切り換えるだけならば何の問題もないが、筆者のように頻繁に切り換えたい場合には、この使い勝手の違いはかなり大きい。
2016~2017年式の中古車を検討している方で、MINIドライビングモードを使い倒したいという場合は、変更前の「回転スイッチ型」を強くお勧めしたい。
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一部のグレードのみ標準、その他はオプション
ジョンクーパーワークスは全モデルで標準装備
第3世代MINI(2014年4月~)のモデルラインアップ
MINIドライビングモードは、MINI3ドア、MINI5ドア、MINIコンバーチブル、MINIクラブマン、MINIクロスオーバーの最上位グレードである「ジョンクーパーワークス」に標準装備されている。例外として、MINIクロスオーバーの「クーパーSD ALL4」とプラグインハイブリッドの「クーパーSE ALL4」も標準となっている。※2019年1月現在
残念ながら、このほかのグレードではメーカーオプションとなる。メーカーオプションは、MINIの生産工場(海外)で取り付けるオプションのため、MINIディーラーで新たに装着することはできない。
当初は全てのグレードにオプション設定(2.9~4.4万円)されていたが、「2018年5月のマイナーチェンジ」から、MINI3ドア/5ドア/コンバーチブルではクーパーSとクーパーSDの専用オプションとなり、「ワン/クーパー/クーパーD」には装着不可となった。
追記:クーパーSとクーパーSDの全モデルで標準に
「2019年9月の仕様変更」から、ジョンクーパーワークスに加えて、クーパーSとクーパーSDの全てのモデルに標準装備となった。
追記:マイチェンでワンやクーパーも装備可能に
「2021年5月のマイナーチェンジ(詳細解説)」から、MINI3ドア/5ドアの「ワン、クーパー、クーパーD」、コンバーチブルの「クーパー」でも、オプション(クラシックトリム又はミニユアーズトリム)で装着可能となった。
カスタムショップで後付けが可能!
バツグンの費用対効果で大人気
MINIドライビングモードは「MINIに詳しいカスタムショップ(全国一覧)」で、後付け装着することができる。比較的安価なことと、走る楽しさそのものを広げることができる機能ということで、大人気となっている。
費用はスイッチのタイプ(回転スイッチ型 or トグルスイッチ型)によって異なるが、おおよそ4~5万円(スイッチ型の方が高い)。純正のスイッチを使うため、メーカーオプションで取り付けた場合とルックスも全く同じ。メーカーオプションの設定がなくなったマイナーチェンジ後のMINI3ドア/5ドアの「ワン/クーパー/クーパーD」にも装着が可能だ。MINIドライビングモードが付いていない車両を購入した場合は、ぜひ活用したい。
とはいえ、近隣にそのようなカスタムショップがあるとは限らないため、これからMINIディーラーの在庫車(新車)や中古車を購入する場合は、できる限りMINIドライビングモードが付いた車両を選びたい。
ちなみに、マイナーチェンジ後のMINI3ドア/5ドア「クーパーS(DCT)/クーパーSD(AT)」は、MINIドライビングモードとパドルシフトがセットオプションになっているため、「MINIドライビングモードが付いていて、パドルシフトが付いていない」車両は、カスタムショップで後付け装着された可能性が高い。後付け装着したMINIドライビングモードは、MINIディーラーの点検整備などで車両プログラムをバージョンアップした際に、設定が消えて使えなくなってしまう場合がある。そのときは、カスタムショップで再施工が必要になる。
まとめ
走る楽しみが広がる必須装備
MINIドライビングモードは、MINIを走らせる楽しみが格段に広がる必須装備。多くのグレードでオプション扱いとなっていることが歯がゆいくらいだ。GRENNモードで燃費がどこまで伸びるかエコチャレンジしたり、SPORTモードでエンジンのポテンシャルを確かめたり、退屈な道が続く長距離ドライブでの気分転換など、利用シーンは幅広い。マイペースで走りたい方からスポーティに走りたい方まで、MINIドライビングモードでMINIを遊びつくそう!
text by minicooper-sketch.com
MINIの中古車専門店 全国一覧
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