ミニクーパーのディーゼル「メリット・デメリット」を徹底解説!
燃費が良いディーゼルのミニクーパー(以下、MINI)が人気です。現行型では、MINIの主要モデルに幅広く設定されており、モデルによっては従来のガソリンエンジンより売れています。
しかしこのディーゼル、「燃費がいいから」という理由だけで選んでしまうと、後悔してしまう可能性が高いクルマです。なぜかというと、ガソリンエンジンには無い多くのデメリットがあるからです。そのデメリットの中には、実際に所有してから気になりだす厄介なものもあります。
そこで当記事では、ディーゼルとガソリンエンジンのメリット・デメリットや、実際に私がMINIのディーゼルに乗って分かったことをベースに、MINIの購入を真剣に検討されている方に向けて徹底解説します。
自分とってベストなMINIを選ぶために、ぜひ当記事を参考にしてみてください。
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Contents
MINIのディーゼル 「メリット・デメリット」
第3世代MINIのディーゼル(2016年4月~)
まずは、ディーゼルのメリットとデメリットです。これらは第3世代MINIのディーゼル(2016年4月~)に乗って実際に感じたことをベースにしています。
第3世代MINIのディーゼル車は、標準グレードにあたる「クーパーD」とスポーツグレードの「クーパーSD」が用意されています。ラインアップは次の通りです。
MINI3ドア/5ドアの「クーパーD(1.5L 3気筒/6AT)」「クーパーSD(2.0L 4気筒/6AT)」、MINIクラブマンとMINIクロスオーバーの「クーパーD(2.0L 4気筒/8AT)」「クーパーSD(2.0L 4気筒/8AT)」。
同じディーゼルでもMINIのボディタイプ(大きさ)によって印象は異なりますが、基本的には同じ特性を持っています。
注意しておきたいポイントは、MINI3ドア/5ドアのクーパーDです。こちらのモデルは「3気筒エンジン」を搭載しているため、4気筒のエンジンに比べてアイドリング時の振動がより大きくなります。そのため、お同じクーパーDでも、MINI3ドア/5ドアのクーパーDとクラブマンやクロスオーバーのクーパーDでは、エンジンそのもののフィーリングに大きな違いがあります。
▼ ディーゼルの「メリット」
燃費が良い
同じ排気量のガソリンエンジン比べて、燃費が「約30~40%」良い(第3世代MINIの場合)。とくに郊外路や高速道路を使った長距離ドライブの燃費が優れる。MINI3ドアのクーパーSD(ディーゼル)の実走燃費は、市街地で「15~18km/L」、郊外路で「20km/Lオーバー」、条件次第で「27km/L」まで伸びる。
Check!ミニクーパーの燃費一覧(全モデル、年式別)
燃料が安い軽油
軽油を使うため、ハイオクを使うガソリンエンジンより燃料が約20%安い。1Lの価格が「軽油 124円」「ハイオク 157円」の場合、MINI3ドアと5ドアの燃料満タン(44L)に必要な燃料代は「軽油 5456円」「ハイオク 6908円」で、1度の給油で軽油の方が最大で約1500円安くなる(ワンとクーパーは40L)。燃料タンク(61L)が最も大きいMINIクロスオーバーの場合は、最大で約2000円安い。
「低燃費&軽油」の相乗効果で経済的
燃費が良いうえに安い軽油を使用するため、実質的に、国産コンパクトカー(非ハイブリッド)並みの燃料代で走ることができる。ディーゼルの燃費が伸びやすい郊外路や高速道路ならば、国産ハイブリッドに近い燃料代も実現可能。
参考例:1万kmの走行に必要な燃料代を比較すると、MINI3ドアのクーパーSD(軽油)はクーパーS(ハイオク)より「約5万5,000円」安い(当サイトで実走して検証)。ディーゼルを3万km乗ると、車検1回分の費用が燃料代の差額で支払えてしまう計算。ガソリンスタンドに行く頻度も減るため、燃料代の安さ以上に「MINIなのに燃費がいい」という満足感が非常に大きい。
余裕のある走り
大きいトルクによって、アクセルをそれほど踏み込まなくても、背中を押されるようにグングン進む。これは、追い風の中で自転車を漕いでいる感覚に近い。ペダルをそれほど回さなくてもスーっと進む気持ちよさに似ている。そのため、ワンランク上のエンジンを扱っているような余裕がうまれ、長距離ドライブでも疲れにくい。登り坂が続く山岳路では、水を得た魚のようにスルスルっと登っていく。また、多人数で乗車してクルマの重量が増えてもパワーの低下を感じにくいため、ファミリーユースでも役立つ。
加速の立ち上がりが速い
エンジンの低回転域のトルクが大きいため、アクセルをグッと踏めば、すぐに反応して飛び出すように加速する。ガソリンエンジンのように中~高回転まで回す必要がないため、日常的なアクセル操作で力強い加速が「誰にでも」楽しめる。信号待ちから60km/hまでの加速や、低~中速走行からの再加速は、同じ排気量のガソリンエンジンに比べて、かなり速い。「フワッと」加速して、いつの間にか60km/hに達している。クーパーSDの背中に感じる加速「G」は、なかなかの迫力。
絶対的な速さはガソリンが勝る
エンジン性能をフルに発揮させたときの絶対的な速さは、最高出力(馬力)が勝るガソリンエンジンの方が優れています。例えば、長い直線でアクセルをべた踏みするような走らせ方の場合です。ここでのディーゼルの速さとは「日常的なアクセル操作」で「速い」という意味です。これが低回転域のトルクが大きいディーゼルの強みになります。
エコモードでも余裕の走り
低回転域のトルクが大きいため、アクセルレスポンスなどを抑えて燃費を優先する「GREENモード(オプション)」でも、それほどストレスを感じずに走ることができる。例えば、クーパーSDで市街地を流れに合わせて走る場合、標準の「MIDモード」では必要十分以上に速いため、マイルドなGREENモードの方が扱いやすい。ガソリンエンジンの「クーパーS」の場合はMIDモードを選びたい。ディーゼルならば、通常はGREENモード、力強い加速を楽しみたいときはMIDモードという運用ができるため、走りをそれほど妥協することなく燃費を伸ばすことが可能。つまり、走りの力強さに対するコストパフォーマンスが高い。
▼ ディーゼルの「デメリット」
エンジンの騒音が大きい
アイドリング中に「ガラガラ」と騒音を発する(走行中は気にならない)。遮音が優れているため車内は比較的静かだが、車外へ向けての音は大きい。深夜や早朝の静かな住宅街でクルマを出し入れする際にはやや気をつかうレベル。クルマの両サイドに音を反射する障害物(クルマや壁など)がある場合は、ガソリンエンジンに比べて体感的に1.5~2倍の騒音に感じる。また、信号待ちから発進する時などの低速域では「ゴロゴロ」というディーゼル特有のエンジン音が耳に届く。我慢できないほどの騒音ではないが、ハイブリッドのような静かさを好む方にとっては厳しい。
信号待ちの時はアイドリングストップによって無音になる。しかし、夏場はエアコンを作動させるために、信号が青にかわる前に再始動することが多い。そのため、多かれ少なかれ信号待ちの間に「カタカタ」という小さなアイドリング音が耳に届く。それほど大きな音ではないが、ガソリンエンジンと比べると、その静かさの違いはハッキリと分かるレベル。
マツダのディーゼルは静か
マツダのデミオやアクセラなどのディーゼル(改良型)は、MINI(BMW製)のディーゼルとは比べ物にならないほど静かです。そのため、マツダのディーゼルの騒音が許容範囲内だからといってMINIのディーゼルが受け入れられるとは限りません。同世代の欧州車ディーゼルの中では平均的ですが、騒音が気になる場合は、必ず実車で確認しましょう。
エンジンの振動が大きい
エンジンが低回転域の時にステアリング(ハンドル)から「ブルブル」という振動が手に伝わる。とくに、市街地で60km/h以下の加速&減速を繰り返すような場面や、50~60km/hで一定の距離を巡航走行しているときに振動を感じやすい。信号待ちのアイドリング時には、ステアリングだけではなく足元やシートからも僅かな振動を感じる。中でもMINI3ドア/5ドアのクーパーDは3気筒エンジンのため、アイドリング中に足元から伝わる振動は大きい。
ただし、ボディサイズが大きいモデルほど振動の伝わりは小さくなる。そのためMINIクラブマンやMINIクロスオーバーではそれほど気にならない。
なお、「Sモード(高回転モード)」や「SPORTモード(オプション)」を使えば、低回転域を使わないシフトプログラムになるため、走行中はほぼ気にならないレベルまで抑えることが可能(とはえいえ、ガソリンエンジンと同等ではない)。
アイドリングストップの振動が大きい
ガソリンエンジンに比べて、エンジンが再始動するときの振動や音が大きい。振動は下から軽く突き上げられるようなタイプ。そのため、アイドリングストップが頻繁に作動する街乗りではストレスを感じやすい。振動の大きさは一定ではないため、ほとんど気にならない時もある。なお、アイドリングストップはオフにできるが、エンジンスタート時の初期設定は必ずオンになる(コーディングで変更可能)。
「騒音&振動」のダブルパンチによる弊害
ガソリンエンジンに比べて、低速域でのフィーリングが全体的にガサツに感じられる。信号待ちからの発進や、交差点で減速&加速したときなど、日常的な運転のはしばしでエンジンの騒音と振動を体感するため、「スムーズさ」や「洗練度」という面では不満がつのる。ハイブリッドからの乗り換えでは、そのギャップはさらに大きく感じるはず。流れの良い郊外路や高速道路では問題なし(むしろ上質感がある)。つまり、ストップ&ゴーの多い街乗りでは、デメリットが目立つ。
第2世代MINIのディーゼルについて
「2015年9月」に発売した第2世代MINIのディーゼルは、SUVの「MINIクロスオーバー(R60)」と「MINIペースマン(R61)」の2車種だけに設定されています。こちらは旧世代のディーゼルを搭載していますので、第3世代MINIのディーゼルに比べて騒音や振動がより大きくなります。全体的なフィーリングも荒々しく、加速のスムーズさや燃費も劣ります。
車両価格が高い
同じ排気量のガソリンエンジンよりも「約20万円」高い(第3世代MINIの場合)。エコカー減税が適用された場合は実質「約10万円」高となる。「低燃費&軽油」のメリットで差額20万円の元をとるには4万km、10万円の場合は2万kmの走行が必要(当サイトが実施した実燃費テストより)。ただし、新車登録から3~7年で売却する場合は、新車時の価格が高いぶんディーゼルの方が高額な査定を期待できるため、実質の差額はそれほど大きくない。ディーゼルモデルが圧倒的に売れ筋となっているMINIクラブマンとMINIクロスオーバーは、ディーゼルの方が明らかに査定が良い(2019年時点の当サイト調査)。そのため「燃料代で元をとるという考え方」は、査定がつかなくなるまで乗りつぶす場合のみ考慮したい。
追記:2020年5月からディーゼルがお得に!
「2020年5月2日の価格改定」で、ディーゼルモデルが「4~9万円」の値下げ。これにより同一グレードにおけるディーゼルエンジンとガソリンエンジンの差額は「約20万円」から「13万円」に縮小した。2020年現在、ディーゼルモデルは新規登録時と車検時に支払う自動車重量税が免税されるため、実質の差額は10万円以下となる。おおよそ2万km走行すれば、燃料代で元がとれる。
エンジンが高回転まで回らない
エンジンの最高回転数が、ガソリンエンジンに比べて低い。そのため、体に「G」を感じながら加速していく高揚感が少ない(ギアごとの加速の伸びが短い)。回転の上昇スピード(吹き上がり)もガソリンエンジンほど速くないため、加速フィーリングが退屈に感じる場面がある。ただし、このデメリットの対象となるのは、アクセルを深くまで踏んでスポーティな加速を積極的に楽しみたい方や、マニュアルモードやパドルシフトを使って意図的にエンジンをフル回転させたい方のみ。普通に運転する方は、それほど気にしなくてOK。
スポーティなサウンドなし
エンジンを高回転まで回しても、スポーツカーのようなエンジン音や排気音を楽しめない。これはレーシングドライバー気分を楽しみたい方にとっては最大級のデメリット。エンジンサウンドに迫力が無いレースゲームが盛り上がらないのと同じ。「スポーティなマシンを所有している」というロマンにも影を落とす。クーパーSDのエンジン音は、それなりに迫力を感じることができるが、音色は快音というよりも轟音(ごうおん)であるため、物足りない印象が残る。逆に、このような「スポーツカー嗜好」に興味がない方にとっては、デメリットにならない。
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MINIのガソリンエンジン 「メリット・デメリット」
第3世代MINIのガソリンエンジン(2014年4月~)
次は、ガソリンエンジンのメリットとデメリットです。こちらも第3世代MINIのガソリンエンジン(2014年4月~)に乗って実際に感じたことをベースにしています。
ガソリンエンジンのデメリットは、主に燃費や燃料代(ハイオク)に関するものですので、ディーゼルのデメリットよりもイメージしやすいと思います。現在ハイブリッドなどの燃費が優れたクルマに乗っている場合は、このデメリットはいっそう大きくなります。逆に、燃費の悪いスポーティなクルマに乗っている場合は、それほど大きなデメリットに感じないはずです。
第3世代MINIのガソリンエンジン車ラインアップは次の通りです。
エントリーモデルの「ワン(1.2L or 1.5L 3気筒)」、スタンダードモデルの「クーパー(1.5L 3気筒)」、スポーツモデルの「クーパーS(2.0L 4気筒)」、ハイパフォーマンスモデルの「ジョンクーパーワークス(2.0L 4気筒 高出力版)」。
▼ ガソリンエンジンの「メリット」
エンジンが静か
ディーゼルに比べて、アイドリングが圧倒的に静か。低速からゆっくり加速するときのエンジン音も静かで、その存在を感じさせないほど。ただし、MINIが搭載しているBMW製のエンジンは、国産の平均的なガソリンエンジンよりも大きな音を発するため、絶対的に静かというわけではない。アイドリング中は「カラカラ」というディーゼルにちょっと似た音を出す。
最も静かなモデルはクロスオーバーのハイブリッド
MINIクロスオーバーにはMINIで唯一のハイブリッドとなる「クーパーSE(PHEV)」が設定されています。1.5Lのガソリンエンジンと電気モーターの組み合わせで、ガソリンエンジンよりも格段に静かでスムーズな走りが楽しめます。街乗りの燃費はディーゼルとそれほど変わりません。
エンジンの振動が少ない
ディーゼルに比べて、ステアリング(ハンドル)から手に伝わる振動が圧倒的に少ない。低回転域では僅かな振動を感じるが、ほとんど気にならないレベル。ただし、ワンやクーパーが搭載している1.5Lの3気筒エンジンは、やや気になる振動あり。
「静かなエンジン&少ない振動」の相乗効果
ディーゼルに比べて、全体的にスムーズで洗練されたフィーリング。とくにストップ&ゴーの多い街乗りで、その差を感じやすい。エンジンからのノイズ(騒音&振動)が少ないため、クルマとの自然な一体感を楽しめる。
エンジンが高回転まで回る
ディーゼルに比べて、エンジンが高回転まで回るため、アクセルをべた踏みしたり、マニュアルモードやパドルシフトでフル回転させれば、ディーゼルより伸びのあるスポーティな加速を楽しめる。日常的な運転でもアクセルをグッと踏めば、スムーズかつ俊敏に吹き上がる(回転数が上がる)。そのため、ディーゼルよりも「エンジンを回して走る気持ちよさ」を感じることができる。なお、ディーゼルでも「Sモード(高回転モード)」を使えば、このガソリンエンジンの「回して走るフィーリング」に少し近づけることが可能。
スポーティなサウンド
エンジンを高回転まで回せば、スポーツカーのようなエンジン音や排気音を楽しむことができる(爆音ではない)。スポーツグレードの「クーパーS」を「SPORTモード(MINIドライビングモード)」で走らせれば、アクセル操作に呼応してマフラーから「パンパン」というレーシーなサウンドが耳に届く。シフトチェンジのタイミングでも「バフっ」という演出が加わり、レーシングドライバー気分を味わうことができる。さらに刺激的なサウンドが欲しい場合は、ハイパフォーマンスモデルの「ジョンクーパーワークス」を選びたい。
▼ ガソリンエンジンの「デメリット」
燃費が悪い
同じ排気量のディーゼル比べて、燃費が「約30~40%」悪い(第3世代MINIの場合)。同クラスの国産コンパクトカーに比べても、やや厳しい燃費性能。当サイトで実施した「燃費テスト」によると、MINI5ドア クーパーSの実走燃費は、市街地で「9~11km/L」、郊外路で「12~14km/L」。192馬力という高い動力性能を考慮すれば極端に悪いわけではないが、交通量の多い市街地でちょい乗りを繰り返すような走行では「8~9km/L」まで落ちるため「燃費が悪い」というイライラが日常的につきまとう。ただし、MINI3ドア/5ドアの「ワン」「クーパー」なら国産コンパクトカー(非ハイブリッド)に近い燃費も条件次第で可能。
Check!ミニクーパーの燃費一覧(全モデル、年式別)
燃料がハイオク
MINIのガソリンエンジンはハイオクを使うため、軽油を使うディーゼルより燃料が約20%高い。1Lの価格が「軽油 124円、ハイオク 157円」の場合、MINI3ドアや5ドアを満タン(44L)給油するために必要な燃料代は、ハイオクの方が約1500円高くなる計算(ワンとクーパーは40L)。月に2回給油する場合の年間の差額は「約3万6,000円」。これは12カ月点検(1年点検)で必ず必要になる「点検費用とオイル交換」に相当する金額。同様の試算で、燃料タンク(61L)が最も大きいMINIクロスオーバーの場合は、年間で「約4万8,000円」高くなる。これは3年間で車検1回分(約15万円)に相当する金額。
「悪い燃費&ハイオク」のダブルパンチによる弊害
燃費が悪く、そのうえ高いハイオクを給油しなければならない状況は、これまで国産のレギュラーガソリン車やハイブリッドに乗っていた方にとっては、かなりのストレスになる。例えば、ガソリンが値上がりした時や、満タンから数日走っただけで燃料が残り半分になってしまったときなどに、ふつふつと不満がつのる。少しでも節約しようという思いが働いて、走りの楽しさと引き換えに「GREENモード(オプション)」を多用しがち(それでもディーゼルの「SPORTモード」より燃費が悪い)。
しかし実際には、年間の走行距離が5,000km以下ならば、同じ排気量のディーゼルに比べて燃料代は1年で2~3万円ほどの違いしかないため、実際のコストよりも精神的なダメージの方が大きい。燃費は常に「具体的な数字」で訴えかけてくるため、ボディブローのように年々効いてくる。
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ディーゼルはデメリットだらけ??
クーパーSDの2.0Lディーゼルターボエンジン
ディーゼルとガソリンエンジンの比較ポイント
前項では、ディーゼルとガソリンエンジンのメリット・デメリットを、実体験をベースにまとめてみました。それを前提に、比較検討するべき重要なポイントをまとめたものが以下の表です。
ディーゼル | ガソリン | |
---|---|---|
メリット |
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デメリット |
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推奨 (強み) |
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参考 |
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ディーゼルは自分のカーライフにベストかどうか見極めが必要
前項の表で一目瞭然ですが、ディーゼルは燃費が良い代わりに、いくつものデメリットをかかえていることが分かります。これらのデメリットとメリットを天秤にかけて検討するのがディーゼルのマストな選び方です。
そのため、ディーゼルは「燃費がいいから」という理由だけで選ぶと、後悔してしまう可能性が非常に高いクルマです。
例えば、年間の走行距離が多くても、交通量の多い市街地をメインに走る場合は、ディーゼルのデメリット(発進時や低速域での騒音&振動)がより大きく感じます。そのような状況では燃費も期待したほど伸びません。密集した住宅地や集合住宅の駐車場で、静まり返った深夜や早朝に出入りする時には、エンジンの騒音が近所迷惑にならないか気になります。実際には、ご近所さんを叩き起こすほどの音量ではありませんが、それでも心理的に気をつかってしまいます。
逆に、年間の走行距離が少なくても、休日に海や山へと長距離ドライブする方には、「低燃費&軽油」による経済性と「1度の給油でたくさん走行できる」というメリットは非常に大きくなります。グングン伸びる燃費をみて嬉しくなったリ、旅先で燃料の残りを気にする必要もありません。大トルクによる力強い走りが気持ちよくて、もっともっと遠くへドライブしたくなります。
いっぽう、レーシングカーやモータースポーツへの憧れが強い方にとっては、ガソリンエンジンの高回転まで伸びる加速感やスポーティなサウンドは絶対的なメリットです。スポーツマフラーなどのチューニングパーツで、さらに刺激のあるマシンにカスタムすることもできます。そんな方がディーゼルを選んでしまうと物足りなく感じてしまい、すぐに乗り換えたくなるかもしれません。
MINIを買ったら「どんな道を、年間でどれくらい、どのように走りたいのか」「なにが自分にとって一番ワクワクするポイントか(絶対に妥協できないところ)」をよく考えて、中~長期的な視野をもって検討することが大切です。
あくまで一般論ですが、ワクワクする楽しさは最初がピークで次第に色あせていきます。しかし、経済性(低燃費&軽油)や実用性(常用域での力強い走り、給油回数の少なさ等)の高さは月日が経つにつれて大きくなっていきます。
つまり、ディーゼルは長期間所有することによって、じわじわと魅力が増していくクルマといえます。
ディーゼルで1万km走ったリアルな感想
MINI3ドア クーパーSD
MINI3ドア クーパーSD(2.0L 4気筒/6AT)
「低燃費&軽油&大トルク」のメリットは絶大!
私は当サイトのデモカー「MINI3ドア クーパーSD(170ps/360Nm)」を日常のアシとして使っていて、執筆現在「1万km」以上走行しています。以前は、先代MINIのガソリンエンジンに乗っていました。
実際のところ、交通量の多い街乗りでは発進時のエンジン騒音や低速での振動にストレスを感じる場面が多々あります。こんなにも「ハッキリした欠点」のあるクルマは初めてです。久しぶりにガソリンエンジンのクーパーS(192ps/280Nm)に乗ると、低~中回転域でのパワーに物足りなさを感じるものの「ガソリンエンジンは、こんなにスムーズで静かだったのか!」と感動するほどです。とくにゼロ発進から40km/hまでの加速の滑らかさは別次元で、自分のディーゼルは1世代古いクルマかな?と思ってしまいます。
ならば「ディーゼルはダメで、ガソリンエンジンが絶対にお勧め!」と言えるかというと、そうではありません。
なぜならば「低燃費&軽油&大トルク」の3大メリットによる相乗効果が絶大だからです。
大トルクによる力強い走りが低燃費で楽しめて、しかも燃料はリッター100円ちょっとの安い軽油。ディーゼルの魅力をシンプルに表すなら「走りに対するコストパフォーマンスが高い」といえます。そして、この「日常的な好コスパ感」は、ディーゼルがかかえる多くのデメリットを許せてしまうほどの説得力をもっています。
低コストで刺激のある走りができる
SPORTモードで山岳路を1時間走行した燃費は「20.2km/L」
極端な例をあげると「今日は燃費なんて気にせずに、SPORTモード全開で走りを楽しむぞ!」と燃料を満タンにして郊外路やワインディング(山岳路)に1日出掛けても「18~20km/L」の好燃費で帰ってこれます。思わぬ渋滞にハマって燃費が大幅に落ちたとしても「どうせ軽油だし」という気持ちが働くので精神的にはノーダメージ。いざとなれば「GRERNモード」に切り換えてエコ走行に徹すれば、条件次第でカタログ燃費を超える「24~27km/L」も可能です。ドライブをたっぷり満喫しても、燃料が1~2メモリしか減っていないというお得感、次の長距離ドライブ、さらにその次のドライブも追加給油なしで行けます。
ガソリンエンジンのように胸躍るスポーティなサウンド(エンジン音&排気音)は聴けませんが、加速そのものはディーゼルでも十分に楽しめます。大トルクによる加速の立ち上がりレスポンスの鋭さや、前に進む押し出しの強さはディーゼルならではの世界があります。高回転域(4000~5000rpm)まで回せば「グオオ~ン」という荒々しく豪快な音が響き、アクセルオフしたときの「プシュー」という吸気音は、それなりに「やんちゃ」な気分にさせてくれます。
もちろん、スポーツ走行を本格的に楽しみたい場合はガソリンエンジンが絶対的にお勧めです。エンジンを「スコーンっ」と高回転(6000rpm)まで回す爽快感はもちろんのこと、ハンドリングやアクセル操作に対する追従性など、クルマを操る気持ちの良さも優れています。気持ちが高揚するガソリンエンジンのサウンドは、モータースポーツの世界を連想させるロマンがあります。
しかし、走りの力強さ対するコストパフォーマンスを考慮すればディーゼルも決して侮れません。ガソリンエンジンで燃料節約のために「GREENモード」を使って走るくらいなら、ディーゼルで「SPORTモード」を使ったほうが低コストで刺激のある走りができます。どちらが良いかは、スポーツ性(ロマンを含め)をどのレベルまで求めるかによるでしょう。
私はスポーティな走りやサウンドも楽しみたいので、次のデモカーはガソリンエンジンと決めていますが、ディーゼルの「走りのコスパ」になれてしまうと「ガソリンエンジンに戻った時にキツイかな・・」と心配になってしまうほどです。できることなら、現デモカーのクーパーSDは手元に残しておきたいと思うほど、ガソリンエンジンとは異なる方向性の魅力があります。
ディーゼルに乗ると走行距離が激増!
高速道路と郊外路を279km走行した燃費は「24.7km/L」
私はディーゼルに乗るまで「デザインや走りが楽しければ、燃費なんて気にしない」という考えを持っていました。典型的なクルマ好きですね。以前乗っていた先代MINI(ガソリンエンジン)の燃費は「9~11km/L」ですが、趣味性の高いクルマですので、とくに大きなデメリットだとは思っていませんでした。
ところが、燃費の良いディーゼルに長期間乗ってみると「燃費の良さもクルマの楽しさの1つ」ということに気づかされました。「低燃費&軽油」という圧倒的なお得感によって長距離ドライブへの意欲が増えて、これまで行ったことのない遠方まで足をのばしています。日本を一周してみたいと思うほどです(しませんが)。5,000円で軽油を満タンにすれば、最長で1,000km以上走れるので、流れの良い高速道路ならば東京から大阪まで給油なしで往復できます。
つまり「イマイチな燃費から解放されたことで、クルマの楽しみ方の幅が広がった」といえます。
また、ディーゼルはエンジンをそれほど回さなくても余裕の走りができるため、長時間走っても疲労を感じにくいという点もプラスになっています。とくに、全身に疲労感が襲ってくる長距離ドライブの帰り道では、アクセルをそっと踏むだけでグングン進むディーゼル特有のフィーリングは、本当に心地よく感じます。このような点は、実際にディーゼルを所有してみなければわからない、隠れた魅力です。
そのおかげで、想定していた年間の走行距離が大幅に上回るペースです。年間の走行距離が少ないからディーゼルは向いていないと思っている方でも、いざディーゼルに乗ると、年に1万km以上はあっという間かもしれません。結果的にガソリンエンジンより年間の燃料代が増えてしまうかも^^。
Check! クーパーSDの実走燃費を徹底検証!
アイドリングの騒音が気になる場面
近くに壁などの障害物があると非常にうるさい
ディーゼルのデメリットで最も象徴的なのが「ガラガラ」というアイドリングの騒音です。トラックやバスと同じ音色に不快感をもつ方が大半だと思います。私も初めてMINIディーラーで耳にしたときは、かなりショックを受けました。「これ買う人いるのかな?」というのが正直な感想でした。
しかし、ディーゼルにしばらく乗っていると、この騒音は意外なほど気にならなくなります。正確には、ある特定の場面でのみ気になるだけで、それほど致命的なデメリットとは感じません。私が実際に「うるさいなぁ」と感じた場面、あるいは「うるさくて迷惑かも」と考えられる場面は次の通りです。
- 障害物に囲まれた駐車場
クルマの左右に壁などの音を反射する障害物があると、体感的に騒音が1.5~2倍くらい大きくなります。建物に隣接している駐車場、マンションや商業施設の地下駐車場、ビルトインガレージなどが該当します。逆に、すいている広い駐車場にポツンと止めた場合など、音を反射するものが周囲になければ、それほど気になりません。 - 深夜や早朝のクルマの出し入れ
自宅の駐車場が隣の家と隣接している場合や、集合住宅の駐車場が1階部分の窓側に近い場合に、騒音が隣人や家族に迷惑をかけていないか気をつかいます。 - 夏や冬の送り迎え
例えば、学校や塾などの送り迎えで、しばらく車内で待機していなければならないとき。アイドリングしていないとエアコンが使えないため、騒音を発しながら待っていなければならず、場所や時間帯によっては気をつかいます。 - ドライブスルー
アイドリングしたままマイクに向かって注文すると、かなりうるさい(注文できないほどではない)。混雑時の順番待ちで停止&徐行を繰り返していると、アイドリングストップが効かなくなるので要注意です。 - 窓を開けて低速走行
低速で走行しているときに隣の車線に並走車がいると、自車の騒音が隣のクルマに反射してうるさい。トラックが並走しているような感じです。もちろん、窓を閉めていれば気になりません。
どれも大きなデメリットにみえますが、裏を返せば、これらの場面以外ではそれほど気にならないということです。とはいえ、トラックみたな音がカッコ悪くて嫌だなという「ロマン派」の方はガソリンエンジンの方が無難でしょう。ディーゼルは、騒音のデメリットが自分の利用状況においてどれほど影響があるのかを検討して、トレードオフの発想ができる方にお勧めです。
ディーゼル最大のデメリットは「振動」
低回転域でステアリングが「ブルブル」と振動する
私はディーゼルに乗る前まで、デメリットを割合で表すと「騒音80% 振動20%」のイメージでした。ところが実際に所有してみると真逆の「騒音20% 振動80%」です。騒音より振動のほうが大きなデメリットに感じます。
前項で述べた通り、アイドリングの騒音は特定の場面でのみ気になりますが、振動は走っているときに感じるものですので、こちらのほうが気になる頻度や時間が多くなるためです。
MINI3ドアのクーパーSDではエンジンが低回転域「1000~1250rpm」のときに振動が最も大きくなります。その「ブルブル」っという振動がステアリング(ハンドル)を通じで両手に伝わってきます。振動の大小には幅があり、ほとんど気にならない小さな振動から、手がむずむずして痒くなるほどの大きな振動まであります。
MINI3ドアのクーパーSDにおいて、低回転域での振動が気になる場面は次の通りです。
- 0~60km/hの加速減速
市街地などで加速や減速をしたときに、小さな振動が発生します。信号で停止するために減速するとき、右折左折の立ち上がりでジワリと加速するとき、低速から再加速したときなど。つまり、ストップ&ゴーの多い街乗りのあらゆるタイミングで振動を感じます。比較的大きな振動ではありませんが、気になる方には耐え難いかもしれません。 - 50~60km/hの巡航走行
50~60km/hの一定速度でしばらく走行していると、6速AT(オートマ)が振動の大きい低回転域(1250rpm)を5速でキープします。このときに最も大きな振動が発生します。市街地の走行ではそれほどありませんが、流れの良い郊外路や海岸線などで50~60km/hをキープして走っている時などに高い確率で発生します。ごく稀に、手が痒くなるほどの酷い振動もきます。車内にある小銭やビニール袋が「ビリビリ」っと音をたてるくらいの振動です。なお、70km/h以上ならば、回転域が上がるため、振動はまったく気になりません。
3気筒エンジンのクーパーDは振動が大きい
MINI3ドア クーパーD(1.5L 3気筒/6AT)
MINI3ドア/5ドアのクーパーD(1.5L/3気筒)のシフトプログラムは、クーパーSDとは異なっていて、クーパーSDで振動が大きい「1000~1250rpm」の低回転域は、ほとんど使いません。街乗りではおおよそ「1500rpm」前後をよく使います。そのため、クーパーDはクーパーSDのように特定の低回転域で振動を強く感じるということはありません。
しかし、クーパーDは4気筒エンジンよりも振動が大きい3気筒エンジンを搭載しているため、クーパーSDに比べて全域にわたって振動が大きいという特徴があります。信号待ちなどのアイドリング時にも、ブルブルっという振動が絶え間なく床から両足に伝わってきます(もちろんアイドリングストップを使えば回避できます)。クーパーDは人気モデルですが、クーパーSDよりも振動が大きいということを理解しておいてください。クーパーDの購入を検討する際は、クーパーSDにも必ず試乗して、その振動の違いを体感してみてください。
なお、MINIクラブマンとMINIクロスオーバーのクーパーDは、クーパーSDと同じ2.0Lの4気筒エンジンですので、こちらは問題ありません。
低燃費王者はクーパーD!?
MINI3ドア/5ドアのクーパーDとクーパーSDのカタログ燃費は殆ど同じですが、私が2時間ほど試乗した際の実走燃費はクーパーDのほうが10%ほど優れていました。クーパーSDの街乗り燃費が16km/Lだとすると、クーパーDは17~18km/Lまで伸びます。振動は大きめですが、燃費を何よりも重視するならばクーパーDがベストでしょう。
以上のことから、ディーゼルで最大のデメリットは「振動」です。個人的には、この振動がもっと少なければ、より多くの方にディーゼルをお勧めできると思っていますが、まだそのレベルには達していないのが現状です。
振動のデメリットは騒音と違って日常的に運転しないと分かりにくいので厄介です。毎日運転していると、どういったタイミングで振動がくるのか意識するようになります。心配な方は、ディーゼルを試乗する際に「低回転域の振動」を意識してみてください。走行中にアクセルを戻してから、ゆっくり踏みなおして再加速すると再現しやすいです。
ただし、これはコンパクトで軽量なMINI3ドアと5ドアの例ですので、ボディサイズが大きい「MINIクラブマン(8速AT)」や「MINIクロスオーバー(8速AT)」の振動は、これよりも全体的にマイルドな印象になります。とくにクロスオーバーなら、ほとんど気にならないレベルです。
「振動」は、高回転の走行モードで大幅に軽減できる
※MINIドライビングモードのスイッチは「2017年7月の仕様変更」から写真右のタイプに変更
ここで終わるとディーゼルを買いたいと思う方がいなくなりそうなので、補足しておきます。
「振動」は走行モードによって大幅に軽減することが出来ます。振動の大きい低回転域を使わないシフトプログラムになる「Sモード(標準機能の高回転モード)」や「SPORTモード(MINIドライビングモード/オプション)」で走れば、振動は大幅に減ってほとんど気にならなくなります。ガソリンエンジンと同等にはなりませんが、多くの方が許容できるレベルではないかと思います。何も意識せずにしばらく運転していると、ディーゼルであることを忘れるくらい「普通のエンジン」に近づきます。
ただし、その代償として燃費が10%くらい落ちます。さらに「Sモード」は高回転傾向になるため発進や加速時のエンジン音「ゴロゴロゴロ~」が大きくなります。低速域では少しザラつき感のあるフィーリングになりますので、スムーズさを重視する方や現在ハイブリッドに乗っている方は納得できないかもしれません。アイドリングストップも強制オフです。いっぽう「SPORTモード」ではアクセルレスポンスが機敏になって、ステアリングも重くなるため、交通量の多い市街地では少し疲れます(女性には重すぎ)。アクセルを必要以上に踏んでしまうと、飛び出るくらいの加速をしてしまいます。
私はディーゼルのエンジン音が嫌いではないため、振動が気になった場合は「Sモード」に切り換えます。いかにも「機械」らしい音を奏でて進む感覚は、これはこれで気持ち良いです。より静かに走りたい時は「SPORTモード」で、アクセルをほんのちょっと踏むマイルド運転です。意外にもクーパーSDは「SPORTモード」で大人しく走るのが、もっともジェントルなフィーリングになります。
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まとめ : ディーゼルは「どんな人」にお勧め?
ここまでディーゼルとガソリンエンジンのメリット・デメリットと、ディーゼルを実際に所有してみて分かったリアルな話をお伝えしました。
冒頭でも述べましたが「ディーゼルは燃費だけで選ぶと後悔する」ということが、お分かりいただけたと思います。それと同時に、ディーゼルの本当の魅力もお伝えしました。ディーゼルのデメリットをちゃんと理解して、自分にとってベストなMINIを選んでください。
最後に、それぞれのエンジンの特徴と、「どんな人にお勧めか?」をおさらいしたいと思います。ディーゼルは、特に注意しておきたい点も添えておきますので、参考にしてください。
ディーゼルの特徴をおさらい
「日常的なアクセル操作で力強い加速が楽しめる。クーパーSDの加速はなかなか強烈。そのうえ、低燃費と安い軽油で、国産コンパクトカー(非ハイブリッド)並みの燃料代。自動車専用道路や高速道路の長距離ドライブならばハイブリッド級。しかし、アイドリング中や低速走行時にエンジンの騒音と振動が大きいため、市街地での快適性(静かでスムーズ)はガソリンエンジンより劣る。アイドリングストップから再始動するときのショックが大きいため、ストップ&ゴーが多発する状況は不得意。中~高速域の巡航走行ではガソリンエンジンと変わらない静粛性を持っているため、流れの良い郊外路や山岳路、高速道路の長距離ドライブが大得意。」
▼ こんな人にお勧め
- 長距離ドライブが大好き! ←コレが1番大事
- 年間の走行距離が多い(最低でも5,000km以上)
- 通勤ルートが流れの良い郊外路
- 坂の多い地区や山岳路をよく走る
- パワフルな走りと低燃費を両立させたい
お勧め:クーパーSD - 燃費をいつも気にしてしまう
お勧め:クーパーD - 輸入車に乗りたいが燃費も妥協できない
- とにかく給油が面倒くさい(時は金なり)
- 細かいことは気にしない実用性が大事
- かっ飛ばしたいが排気音は控え目がいい
お勧め:クーパーSD - 日常的に力強い加速「G」を楽しみたい
お勧め:クーパーSD
▼ こんな人は特に要注意!
- 交通量の多い道をよく走る
低回転域やアイドリングストップ再始動時の振動が許容できるレベルか慎重に検討 - 深夜や早朝にクルマに乗る
隣近所への騒音が問題のないレベルか慎重に検討 - 現在ハイブリッド(静粛性の高いクルマ)に乗っている
大きな騒音と振動が許容できるレベルか慎重に検討
ガソリンエンジンの特徴をおさらい
「静かでスムーズ、軽快なドライビングフィールで、交通量の多い市街地でも快適。アクセル操作に対する加速レスポンスが自然で扱いやすいため、クルマを手足のように操る気持ち良さに優れる。エンジンを高回転まで回せば、伸びのあるスポーティな加速やサウンドも楽しめる。しかし、ディーゼルより燃費が劣るうえにハイオクを使うため、燃料代が高額(最大で2倍)になり、給油頻度も比較的多くなる。アクセルをそれほど踏み込まない日常的な運転では、ディーゼルより力不足に感じられる場面もある。」
▼ こんな人にお勧め
- 年間の走行距離が少ない
- 市街地のちょい乗りが多い
お勧め:ワン、クーパー - 通勤ルートが交通渋滞の多い市街地
- できるだけ静かに走りたい
お勧め:クロスオーバーの「クーパーSE(ハイブリッド)」 - スポーティな走りを楽しみたい
お勧め:クーパーS、ジョンクーパーワークス(JCW) - チューニングを楽しみたい
お勧め:クーパーS、ジョンクーパーワークス(JCW) - レーシングカーへの憧れが強い
お勧め:ジョンクーパーワークス(JCW) - 刺激のあるホットハッチに乗りたい
お勧め:MINI3ドアの「ジョンクーパーワークス(JCW)」
「ディーゼル or ガソリン?」どちらか決めきれない方へ
ディーゼルとガソリンの特徴は分かったものの、どちらも一長一短で、なかなか決めきれない方も多いでしょう。
「たくさん走るから燃費が良い方がいいけど、ガソリンエンジンの静かさやスポーティなサウンドも捨てがたい」あるいは「それほど走らないけど、やっぱり燃費がいいほうに惹かれる」、「ディーゼルの騒音と振動は気になるような、気にならないような・・・」などなど。
短時間の試乗では、ガソリンエンジンの方が好印象を受けると思いますが、購入してからの中~長期的なイメージを膨らませば、ディーゼルの燃費と安い軽油の組み合わせにも絶対的な魅力があります。
そのような方は「乗りたい年数」をヒントにするのが良いと思います。あくまで、これまで述べた特徴をもとに比較検討しても、どちらが良いか決めきれない場合です。
- 5年で乗り換えるならガソリンエンジン
- 5年以上あるいは「乗りつぶす!」ならディーゼル
5年というのは単なる目安ですが、数年で乗り換える可能性がある場合は、ガソリンエンジンが無難です。例えば、5年で40,000km走った場合、ディーゼルに比べて燃料代は「20万円以上(一例)」高くなりますが、メリットとデメリットのバランスを考えれば、悪くないと思います。短期間で手放すなら、ディーゼルより購入価格が安いというのも大きなメリットです。
いっぽう、ディーゼルは長く所有するほど経済性の高さがボディブローのように効いてきます。10万km走ると、燃料代はガソリンエンジンより「50万円以上(一例)」安くなります。
架空の例え話ですが、ディーゼルで10万km走ったオーナーに、もしもガソリンエンジンだったら手元から「50万円以上」が燃料代として消えていました。ガソリンスタンドに行く回数は「55回以上(一例)」も増えました。それでもガソリンエンジンが良かったですか?と聞いたら、多くの方が「ノー」と答えるでしょう。ここまで乗れば、購入価格がガソリンエンジンより高くても十分以上に元を取れます。
つまり、ディーゼルはガンガン走って使い倒すなら、気になるデメリットがあっても、トータルでは満足できる可能性が高いといえます。逆に、数年で手放すことになると「これならガソリンエンジンでよかったかも」と思うでしょう。
それでもどちらか決めきれない方は「ガソリンエンジン」を買いましょう。ガソリンエンジンの大きなデメリットは燃費に関する部分だけですので、ディーゼルのデメリットに比べれば、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性が低いからです。
以上です。
それでは楽しいMINIライフを!
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