リコール:MINI ディーゼル「EGR」から冷却水漏れで火災のおそれ
2023年7月26日に、BMW株式会社から国土交通大臣に対してリコールの届出がありました。
当リコールの不具合内容は「前回のリコール(同年3月7日)」と同じです。前回の改善措置は「対策プログラムに書き換える」または、必要に応じて「排気ガス再循環装置モジュール(EGR)」を対策品に交換するとなっていましたが、当リコールでは、全車両対策品に交換するという措置に変更されています。なお、前回のリコールでは不具合の原因を「経年劣化」としていましたが、当リコールでは「耐久性の検討が不十分のため経年劣化」となっています。つまり設計に問題があったことを認めました。
不具合箇所はディーゼルエンジンの「排気ガス再循環装置モジュール(EGR)」です。耐久性の検討が不十分のため経年劣化により冷却水が漏れるものがあり、最悪の場合、火災に至るおそれがあります。
リコールの対象車(BMWは省略)は、第3世代MINIのディーゼルエンジンを搭載した「クーパーD/クーパーSD」です。前回のリコールで対象外となっていた、MINI3ドアと5ドアのクーパーDも対象となります。
リコールの対象外となるモデルは、2021年5月に「マイナーチェンジ(詳細)」したMINI3ドアと5ドア、2020年の仕様変更でDCT又は8速ATを搭載したMINI3ドアと5ドア、マイナーチェンジ後のクラブマンとクロスオーバーです。
多くのディーゼルオーナー(BMW含む)が対象となる大規模なリコールとなります。
対象車の使用者には、ダイレクトメール等で通知されます。
スポンサーリンク
リコール対象車
MINI3ドア/5ドア/クラブマン/クロスオーバー
製作期間の全体範囲 | |
---|---|
– | |
対象車台数 | |
– | |
型式 | 通称名 |
LDA-XN15/LDA-XN15M ※2021年5月マイチェン以降とDCT車は対象外 |
MINI 3ドア(F56) COOPER D |
LDA-XN20/LDA-XN20M ※8AT車は対象外 |
MINI 3ドア(F56) COOPER SD |
LDA-XT15/LDA-XT15M ※2021年5月マイチェン以降とDCT車は対象外 |
MINI 5ドア(F55) COOPER D |
LDA-XT20/LDA-XT20M ※2021年5月マイチェン以降と8AT車は対象外 |
MINI 5ドア(F55) COOPER SD |
LDA-LR20 ※2019年10月マイチェン以降は対象外 |
MINI クラブマン(F54) COOPER D COOPER SD |
LDA-YT20 ※2020年9月マイチェン以降は対象外 |
MINI クロスオーバー(F60) COOPER D COOPER D ALL4 COOPER SD ALL4 |
リコール対象車の車台番号
備考:対象車両であっても既に対策修理済みの場合は、該当リコール無しと表示されます。
不具合内容
部位(部品名)
エンジン(排気ガス再循環装置モジュール)
概要
ディーゼルエンジンの排気ガス再循環装置(EGR)モジュールにおいて、耐久性の検討が不十分のため経年変化により冷却水が漏れるものがある。その場合、排気ガスに含まれる煤が冷却水と混合して排気ガス再循環装置(EGR)モジュールの内部に堆積し、高温になった堆積物がインテークマニホールドに流入し付着して、インテークマニホールドが溶損する可能性がある。最悪の場合、火災に至るおそれがある。
改善措置
全車両、排気ガス再循環装置(EGR)モジュールを対策品と交換する。また、インテークマニホールドの状態を確認し、損傷が見られる場合は新品と交換する。
なお、部品の準備に時間を要する事から、部品の準備が整うまでの間、サービス入庫の度に点検を実施し、点検の結果、不具合のない車両については、使用者に対して注意喚起するとともに、対策品の準備ができた段階で再度連絡し、対策品に交換する。
識別:改善実施済車には、左フロントドアロアヒンジ取り付けボルト(下側)の頭に黄色ペンを塗布する。
その他
- リコール届出番号:外-3622
- リコール開始日:令和5年7月26日
- 不具合件数:38件
- 事故の有無:4件(火災、怪我人なし)
- 発見の動機:市場からの不具合報告による
周知させるための措置
- 使用者:ダイレクト メール等で通知する。または、車両に直接インカーコミュケーション メッセージを送信する。
- 自動車分解整備事業者:日整連発行の機関誌に掲載する。
- MINIのホームページに記載する。
改善箇所説明図
関連リンク
MINI Japan
令和5年7月26日 国土交通省
スポンサーリンク