
欧州車のディーゼルエンジン排ガス不正問題(報道)について、BMWグループから声明が発表されました。
日本も無関係ではなく、先日はメルセデスベンツから「国内で販売したディーゼル車もリコール対象」という発表があり、欧州メーカーのディーゼル車全般に疑いの目が向けられています。「MINIのディーゼル(BMW製)は大丈夫なの?」という声も、少なくないでしょう。
声明を要約すると「BMWのディーゼルは大丈夫!」とのことです。といっても、今回の声明では、昨今の報道を受けて、排ガス処理にアドブルー(尿素水)を使用しているディーゼルモデルについて言及しています。
MINIのディーゼルはアドブルーを使用していませんので、直接関係はありませんが、BMWグループとして改めて「排ガス不正はしていない!」と発表があったことは、MINIのディーゼルに関心のある方や現オーナーにとっては、心強いところでしょう。2015年にフォルクスワーゲンの排ガス不正が発覚した際も、BMWグループから同様の声明(詳細)が発表されています。
なお、今年の春にフルモデルチェンジしたBMWの5シリーズには、アドブルーを使用した最新のディーゼル(2L/4気筒)が搭載されています。
追記:MINIのディーゼルもアドブルー式に
クラブマンの「マイナーチェンジ(詳細)」で、MINI初となるアドブルーを使用したディーゼルが搭載されました。
以下、声明(プレスリリース)の原文です。
ミュンヘン発

BMW独自の技術は実路走行での排出ガスを確実に低減
BMWグループは、現在の報道を見て、最近の主張に関する自らの立場を明確にすることが必要になったと考える。
当社の信条として、BMWグループの車両は不正な処理を施されておらず、個々の法的要件に準拠している。もちろん、これはディーゼル車にも当てはまる。このことは、国内および国際レベルでの関連する公的調査の結果によって確認されている。
BMWグループの販売するEuro 6ディーゼル車はAdBlueタンクが小さすぎるために排出ガス処理が適切に処理されない、という非難に対し、BMWグループは断固として否定する。
BMWグループが用いる技術は、市場の他のシステムとは明らかに異なっている。われわれは、最高の排出ガス処理システムを提供するために競争している。他メーカーとは異なり、BMWグループのディーゼル車は、排出ガスを処理するためにさまざまなコンポーネントを組み合わせている。
排出ガス処理のためにAdBlueによる尿素噴射(SCR)を使用する車両(※当サイト注釈:MINIのディーゼルは尿素を使用していない)は、NOx吸蔵触媒コンバーターも用いている。この技術の組み合わせにより、当グループは排出ガスに関するすべての法的要件を満たすとともに、実路走行での非常に優れた排出ガス性能も達成している。すなわち、BMWグループのEuro 6ディーゼル乗用車のソフトウェアをリコールまたはアップグレードする必要はない。
加えて、これら2つのシステムは、排出ガス再循環装置と相まって、より少ない量のAdBlue噴射しか必要とせず、その結果、他メーカーと比べてAdBlueの消費量は非常に少ない。これにより、タンクサイズの最適化が可能になるとともに、実路走行条件での非常に低い排出ガスレベルも達成している。
さらに、BMWグループのディーゼル車は、モデルによってタンク・リッドまたはエンジン・フードから容易にAdBlueを補充することができる。BMWグループの車両を所有するお客様は、AdBlueの充填レベルの低下について繰り返し通知され、これが無視されると、車両はやがて使用できなくなる。
AdBlueタンクに関する他メーカーとの協議の目的は、欧州で必要な貯蔵インフラの設置であったと、当グループは考える。
加えて、BMWグループは、適切なEuro 5ディーゼル乗用車のソフトウェアのアップグレードを自主的に無償で行うことをお客様に約束している。このアップグレードは、過去数年間に現場で得た知識を取り入れて、排出ガスのさらなる改善を実現するためのものである。私たちは、これが地方自治体と業界を含む包括的な共同対策計画の一環であると考える。その目的は、2017年8月2日に「ディーゼル・サミット」が開催される状況の中、一律に走行を禁止することなく都心部の大気の品質をより改善することである。
BMWグループのプレスリリース(2017/7/23)より
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text by minicooper-sketch.com
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