MINI3ドア/5ドアにMINI初のDCTを搭載!ナビと連動も
MINI3ドア、5ドア、MINIコンバーチブルに、MINIで初となる7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を搭載。従来の6速ATよりも素早いギアチェンジが可能になり、ダイレクトでスポーティなドライビングフィールを実現する。
DCTはゲトラグ製で、クラッチの摩擦熱をオイルで冷却する湿式を採用。低速での取り扱いや、耐久性・ジャダー(振動)の軽減に優れているのが強みだ。
ワンに7DCTを先行搭載、JCWは8ATに!
2014年に発売したMINI5ドア、後席の使いやすさで人気モデルに成長
7速DCTは、2017年11月生産からMINI3ドア、MINI5ドアのエントリーモデルとなる「ワン(ONE)」に先行して搭載される。同時にワンのエンジンは1.2リッター3気筒から1.5リッター3気筒に変更。売れ筋グレードとなるクーパーとクーパーSは、「2018年3月のマイナーチェンジ(LCI)」で搭載。1.5リッターのディーゼルを搭載するクーパーDは、6速ATのまま変更なし。
追記:クーパーDもDCTに!
2020年5月からMINI3ドア、MINI5ドアのクーパーDも、6速ATから7速DCTに変更された。
また、同じく2017年11月生産からMINI3ドアのハイパフォーマンスモデル「ジョンクーパーワークス」のトランスミッションを、6速ATから8速ATに変更。こちらは多段階なギアによる高効率でスムーズな走りが期待される。DCTではなくATを採用した背景は、ジョンクーパーワークスの最大トルク(320Nm)がDCTの許容できるトルクをオーバーしてしまうことにある。
同じ理由で、ジョンクーパーワークスをこえる最大トルク(360Nm)もつディーゼルのクーパーSDは、6速ATのままでDCTは搭載されない。
追記:クーパーSDも8ATに!
2020年5月からMINI3ドア、MINI5ドアのクーパーSDも、6速ATから8速ATに変更された。
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レースで培ったダイレクトな加速フィール
DCTは新設計の電子セレクターバーで操る、パーキングロックはPボタン
左に入れると回転数アップのSモード、そのまま前後でギアチェンジ可(従来の6ATも同じ)
DCTの技術はコンマ1秒を競い合うモータースポーツから受け継がれている。2つのクラッチを使用することにより、トルクを切らすことなく素早いギアチェンジが行えるため、レーシングカーのようにダイレクトな加速フィールを楽しむことができる。といっても難しい操作は必要なく、これまでのATと同様の操作でそれを可能としている。
DCTの電子制御システムは、アクセル開度やスピード、選択中の「MINIドライビングモード(オプション)」などを元に、ドライバーの意図に沿った最適なギアを選択する。例えば、加速を急に取りやめる状況になった場合でも、シフトアップをキャンセルして素早くシフトダウンを行うことができる。
ナビと連動して、最適なギアを選択
さらに、DCTの制御システムは、ナビゲーションシステム(詳細)のデータを使用して、前方の道路に合わせたギアチェンジを行うことができる。例えば、急カーブにさしかかると、エンジンブレーキで減速できるようにシフトダウンを早めに行う。2つの連続したカーブを曲がるときは、1つめのカーブでシフトダウンした状態を維持して、そのまま2つ目のカーブに備えるなどして、不必要なシフトを避ける。そして、カーブを脱出した立ち上がりで強力な加速ができるように最適なギアを選択する。
※当機能が国内仕様車において有効かどうかは未確認。
低燃費にかかせないコースティングに対応
コースティングとは、アクセルペダルを戻すとエンジンとトランスミッションを切り離して、惰性のみで走行(空走)する機能。作動中はエンジンブレーキが効かないため、惰性での走行距離を飛躍的に伸ばすことができる。その時エンジンはアイドリング状態だから、僅かな燃料しか消費しない。つまり、前方の信号が赤になったときや前走車が減速したときに、早め早めにアクセルを戻しコースティングすることによって燃費を向上させることができる。
エンジンブレーキが効かなくなることに不安をおぼえるかもしれない。だが、ナビゲーションデータや運転支援システムのカメラ映像をもとに状況を判断して、必要であればコースティングを解除してエンジンブレーキを作動させる機能が備わっている。
コースティングは、MINIドライビングモードの「MIDモード(標準モード)」と「GREENモード(エコモード)」で使用することができる。従来(6AT)のモデルでは、GREENモードのみに限られていた。新モデルではMIDモードで元気に走りつつ、場面によってはコースティングで燃料を節約できるようになった。
動画
ワインディングを走るDCTのクーパーD
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