MINIが2024年にフルモデルチェンジ!次世代モデルまとめ(暫定版)

ミニクーパーとポールスミス

※MINIとのコラボレーションモデル「MINI STRIP(非売品)」を発表するポールスミス氏(2021年8月)

2021年11月3日にBMWグループは次世代MINIのモデルラインアップや中国市場への対応、将来に向けてのブランド戦略を明らかにした。といっても、今回の発表には驚くような新しいトピックは無く、そのほとんどが既知の内容となっている。

第4世代目となるMINIを2023年11月から生産(追記:3ドアは2024年3月から生産)すること、2025年に最後の内燃機関モデルを発売すること、2030年代の前半までには「電動モデルのみを販売するブランドになる(詳細記事)」ことなどが、あらためてアナウンスされた格好だ。

ここ数年で少しずつ全貌が見えてきた次世代モデルに、胸を躍らせているMINIファンも多いことだろう。MINIはデザインとドライブが最高に楽しいブランドだから、新しいスタイリングやパワートレインの進化など、期待は高まるばかりだ。

そこで、これまでにBMWから発表された公式情報と、海外メディアでリークされた非公式な情報(噂レベル含む)をもとに、次世代MINIのモデルラインアップを表にまとめてみた。

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次世代MINIのモデルラインアップ(暫定版)

中国産のEV専用モデルが新登場、クラブマンは廃止の可能性大?

第三世代ミニのモデルラインアップ 2021年

写真は現行型(第3世代)のモデルラインアップ。MINI 3ドア(F56/2014年発売)、MINI 5ドア(F55/2014年発売)、MINI コンバーチブル(F57/2016年発売)、MINI クラブマン(F54/2015年発売)、MINI クロスオーバー(F60/2017年発売)の5モデル。国内で1番人気は5ドア、クラブマンとクロスオーバーはディーゼルモデルが販売の中心。

第4世代MINI 発売時期
海外市場
パワートレイン サイズ 生産国 その他
3ドア
(F66)
2024年 ガソリン 英国 先代より少し縮小(室内は同等)/プラットフォームは先代と同じUKL(改訂版)/ハイパフォーマンスグレードのJCWも存続/2024年3月から生産開始
3ドア
(J01)
2023年末? EV 中国 デザインは英国産3ドアと相似だが外形は僅かに小さい/EV航続距離は320~380km/JCWは250馬力相当/2023年11月から生産開始
5ドア
(F65)
2024年? ガソリン 英国 国内で1番人気のモデル/公式情報は一切無いが、海外メディアは発売予定と報じている
コンバーチブル
(F67)
2025年 ガソリン
EV
英国 一時は廃止との報道もあったが存続が確定
クラブマン 廃止 世界的に販売が低迷しているため廃止が濃厚
クロスオーバー
(U25)
2024年
2月
ガソリン
ディーゼル
PHEV?
EV
ドイツ 先代より全長が20cm拡大してMINI史上最大サイズに/BMW X1と兄弟車/FAARプラットフォーム/2023年11月から生産開始
EV専用 新モデル
ペースマン
エースマン
(J05)
2025年
1月
EV 中国 スポーティな小型SUV/全長は5ドアと同等(4m)/2022年7月に「コンセプトモデル(詳細)」発表
EV専用 新モデル
ミニバン(MPV)
2024年? EV ドイツ? 室内の広さと快適性を重視した新コンセプトを採用/FAARプラットフォーム/名称はトラベラー?

※表は2023年3月時点での公式発表と、海外メディアで報じられた非公式情報をもとに作成。発売時期は欧州市場のもの、国内の発売時期は通常スケジュールならば海外発売から半年以内。サイズ「小」はBセグメント、「中~大」はCセグメントを想定。EVはバッテリーとモーターのみで駆動するBEV。(暫定版のため変更の可能性有)

MINI 3ドア

第4世代 ミニクーパー 3ドア EV カモフラージュ

写真は2021年11月にプレ公開された次世代型「MINI 3ドア」のEV。デザインコンセプトは継承されているが、前後のオーバーハングが短くなり現行型よりも丸く可愛らしいスタイリングに進化(原点回帰)。空気抵抗を削減するためAピラーの角度が浅くなり、MINIで初めてターンインジケーターがサイドミラーに付いている。

各モデルを簡単に紹介していこう。まずはMINIのモデルラインアップで最もコンパクトな「MINI 3ドア」。ブランドを象徴する始祖的なモデルで、現行型(第3世代)は2014年4月に国内販売を開始し、2021年5月にはMINIで初となる2度目の「マイナーチェンジ(詳細解説)」を果たしている。次世代型(F66)は2024年3月から生産を開始し、生産場所は従来と変わらず英国のオックスフォード工場が担う。国内導入は2024年の夏頃になりそうだ。

プラットフォームは現行型に使用されている「UKL」の改訂版となるため、全体的なサイズ感や素性は現行型に近いものになると予想できる。ボディは少し小さくなるが、室内空間は同等のレベルを実現するという。外装のデザインは、基本的にキープコンセプトだが、オーバーハング(タイヤの中心からボディ先端&後端)が短縮されたことによって、四隅にタイヤが張り出したミニマム(チョロQ的)なスタイリングになる。

第4世代 ミニクーパー 3ドア EV カモフラージュ リアビュー

source:motor1.com

パワートレインはBMWのガソリンターボエンジンに、MINIで初となる48Vのマイルドハイブリッドを搭載する。昨今の欧州車では標準となっているコスパに優れたシステムで、プリウスのようにEV走行はできないが、発進や加速時にモーターでアシストすることで、燃費を改善することができる。気になるパフォーマンスは、スポーツグレードのクーパーSで現行型よりも若干アップの200馬力程度が予想される。

第4世代 ミニ3ドア G56 EV ミニクーパーSE 冬テストの開発車両 2022年3月

そして次世代型を象徴する3ドアとなるのが、電気とモーターだけで走るEVバージョン(BEV)。このEVモデルだけは英国ではなく中国で2023年11月から生産される。「MINI=英国」という認識が強いMINIファンとしては複雑な心境だが、巨大な中国市場でビジネスを展開するには現地生産をせざるを得ないという事情がある。いっぽうで、最終的には英国産になるという情報もある。

プラットフォームはEV用に開発された新しいものになるが、内外装のデザインや室内空間はガソリンの3ドアと基本的に同じ。ただし、EVのボディは僅かに小さくなるという。当初は中国市場向けの専用モデルになるのではないかと報じられていたが、最新の情報では世界へ向けて販売するようだ。

第4世代 ミニ3ドア G56 EV ミニクーパーSE 冬テストの開発車両 2022年3月 サイドビュー

EVのグレード設定は、ガソリンと同じく3モデル構成となる。

  • クーパーE
    約180馬力/EV航続距離:約320km/バッテリー:40kWh
  • クーパーSE
    約215馬力/EV航続距離:約385km/バッテリー:54kWh
  • ジョンクーパーワークス
    約250馬力/EV航続距離:SEよりやや短い?/バッテリー:54kWh

EV航続距離はカタログ値となるため、実際にはクーパーEの場合で250km程度が現実的な目安となるだろう。充電インフラが整わないうちは、日常の買い出しや、短距離のドライブに連れ出すのが限界かもしれない。個人的には、スポーティな排気音が楽しめないジョンクーパーワークスが、市場でどのように受け入れられるのか興味深い。

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MINI 5ドア

ミニ5ドア クーパー 2021年

写真は2021年5月に2度目の「マイナーチェンジ」を受けた現行型の「MINI 5ドア(F55)」

MINI 5ドア」は3ドアを引き伸ばして後席ドアを追加したモデル。MINIらしさを損なわずに実用性も兼ね備えているため、国内では1番人気のモデルとなっている。

現時点で5ドアに関する公式レベルの情報は一切無いが、海外メディアは存続を予想している。実際にEVバージョンの開発車両が目撃されていることから、次世代型(F65)でもリリースされる可能性は高い。現行型と同様に、パワートレインやオプション構成は、3ドアと共通になるだろう。

追記:2023年3月現在、一部の海外メディアは2024年7月から生産開始と報じている。パワートレインにEVの設定は無く、ガソリンのマイルドハイブリッドのみになる。

MINI コンバーチブル

ミニコンバーチブル F57 クーパーS 2021年

写真は2021年5月に2度目の「マイナーチェンジ」を受けた現行型の「MINI コンバーチブル(F57)」

MINI コンバーチブル」は3ドアをベースにしたオープンモデル。趣味性が強く価格も高いため、数多く売れるモデルではない。そのため、当初は海外メディアで廃止という報道も出ていたが、2025年に発売するという公式の発表があった。その後、EVも発売される可能性が高い。

英国で最も売れているオープンカーであり、4年連続でAutoExpressの「コンバーチブル オブザイヤー」も受賞していることから、廃止するのは惜しいという声が多かったのかもしれない。

MINI クラブマン(廃止?)

ミニクラブマン F54 スプリットドア

写真は現行型「MINI クラブマン(F54)」のハイパフォーマンスモデルをベースにした限定車「GPインスパイアードエディション

MINI クラブマン」は、観音開きのバッグドアをもつステーションワゴン的なモデル。そのローワイドなスタイリングと、リアからの眺めはMINIで一番と言ってよいほど個性的だ。国内での人気はそれほど悪くないイメージだが、世界的には販売が低迷しているようだ。より大きな室内空間をもつクロスオーバーの存在が影響しているのかも。

現時点で次世代型についての公式情報はないが、残念ながら廃止の可能性が高い。熱烈なファンがいるモデルなので、コンセプトを大きく変えて「いつの日か」再登場する可能性に期待したい。

MINI クロスオーバー

ミニクロスオーバー プラグインハイブリッド F60

写真は現行型「MINI クロスオーバー(F60)」のプラグインハイブリッド「クーパーSE ALL4

MINI クロスオーバー」はMINIのモデルラインアップで最も大きなボディをもつコンパクトSUV。国内を含め世界的に年々人気が高まっている印象だ。国内ではディーゼルモデルをメインに販売好調、2017年にはMINIで唯一となる「プラグインハイブリッド(詳細解説)」も追加された。

次世代 ミニクロスオーバー U25 カモフラージュ 2023年

写真は2023年3月に公式発表された次世代型クロスオーバーのカモフラージュ版(詳細記事

次世代型はボディを拡大して2023年11月からドイツのライプツィヒで生産を開始する。意外に思うかもしれないが当モデルがMINIで初のドイツ産となる。海外市場では2024年2月に発売を予定。

プラットフォームはBMWのSUV「X1」や2シリーズのアクティブツアラーと同じ「FAAR」を使用するため、全長は現行型より約20cm長い4.5m級になる。これでもコンパクトSUVに属するサイズだが「MINIもついにここまで大きくなったのか」というのが筆者の率直な感想だ。乗り味もBMW系統のジェントルな味付けとなり、他の軽快なモデルとは一線を画すことになりそう。

次世代 ミニクロスオーバー U25 カモフラージュ 2023年

パワートレインは、ガソリンとディーゼルに加えて、新たにEVが追加される。海外メディアのリークによると、EVにもガソリンモデルと同様に「クーパーE、クーパーSE、ジョンクーパーワークス」のグレードが設定されるようだ。EVの生産開始は内燃機関モデルより少し遅れて2024年3月からと報じられている。

基本スペックは兄弟車となるBMWのSUV「iX1」と近いものになる。標準グレードの「クーパーE」は、1つのモーターを搭載した前輪駆動の185馬力。スポーツグレードの「クーパーSE」は、2つのモーターを搭載した全輪駆動(AWD)の264馬力。もっとも重要なファクターとなるEVの航続距離は「400~450km」程度と、同世代のEVに比べてやや控えめとなることが予想される。

次世代 ミニクロスオーバー U25 カモフラージュ 2023年

次世代型クロスオーバーは、MINIで初めてBMWと同じ工場で生産される。

海外市場での発売時期は、2024年2月を皮切りに、EVの「クーパーE」が同年5月、ガソリンの「クーパー」は同年7月と報じられている。そのため、国内で全てのモデルラインアップが出揃うのは最短でも2024年後半になりそうだ。

国内市場ではEVにおける諸々の事情を鑑みると、当面はマイルドハイブリッド付きのガソリンと長距離ユーザー向けのディーゼルが中心になると思うが、EVが次世代クロスオーバーを代表するモデルとなるのは間違いない。

ミニ クロスオーバー クーパーSE F60 2022年の特別仕様車 アンテイムドエディション

現行型MINIで唯一のプラグインハイブリッドとなる「クーパーSE ALL4」は、満充電で53kmのEV走行が可能。自宅に充電設備が無いとEV走行のメリットを活かしにくいため、国内販売は苦戦している。

なお、EVの航続距離が実用レベルに達したため、プラグインハイブリッド(エンジン&モーター)の「クーパーSE ALL4」は廃止すると報じられていたが、2022年3月に海外メディアでリークされた情報によると廃止は回避されたようだ。エンジンとモーターを合わせた総合出力はMINI史上最高の「322PS」に達し、EV走行距離は現行のプラグインハイブリッドの1.5倍以上となる「約88km」を実現する。このモデルは、クーパーSEではなく最上位モデルとしてジョンクーパーワークスの名が与えられる可能性もある。

新モデル:スポーツSUV「ペースマン」が復活!

ペースマン R61 2015 JCW

写真は2013年に国内デビューした「MINI ペースマン(R61)

EV専用の全く新しいモデルとなる小型SUVは、2025年初頭に登場予定。3ドアのEVと同様に中国で生産される。モデル名は「ペースマン(エースマンの可能性もあり)」になると報じられている。

ペースマンとは、2013年に発売した第2世代MINIの1つ。MINIクロスオーバーをベースにした3ドアのSUVスタイルが特長。後席ドアがないスポーティなSUVという個性の強いモデルのため、販売台数が少なく歴代MINIの中でもレア寄りな存在となっている(筆者は隠れ大ファン)。現行型(第3世代)では廃止となっていたが、次世代ではEV専用のモデルとなって帰ってくる。一部の海外メディアでは、後席ドアを追加して5ドアのALL4(全輪駆動)になると報じられている。

ボディサイズは全長4mレベルで、現行型の「MINI 5ドア」と同等と予想されている。コンセプトは大流行中の「小さな街乗りSUV」で、フォルクスワーゲンの「Tクロス」や、トヨタの「ヤリス クロス」などと近いキャラクターになる。

個人的には次世代型で最も楽しみにしているモデルだ。MINIならではのオシャレカワイイSUVになるのか、EV専用というキャラクターを全面に出して次世代感あふれるスタイリッシュなモデルになるのか、いちMINIファンとして妄想が尽きない。後席ドアがある小さなMINIが欲しいという方は、5ドアかペースマンの二択になりそう。ただし、EV専用のため国内導入されるかどうかは未知数だ。

▼ 最新情報:名称は「エースマン」に決定!コンセプトモデルが公開

圧倒的な次世代デザイン!BEV「エースマン」コンセプト発表!

新モデル:EVのミニバン(仮称)

コンセプトモデル ミニビジョンアーバナート 2021年

2021年に公開されたEVミニバンのコンセプトモデル「MINI ビジョン アーバノート」

次世代型で最もベールに包まれた新モデルが、このEV仕様の「ミニバン(仮称)」だ。2020年11月に「MINI ビジョン アーバノート」という名称でコンセプトCGを発表、2021年7月にはドイツのミュンヘンで実物が公開されている。筆者を含め海外でも実際に製品化される可能性は低いだろうと思われていたが、驚くことに製品化へ向けて開発中とのこと。公式情報ではないが、海外メディアでは2024年デビューと報じられている。

当モデルのコンセプトを簡単にまとめると「室内スペースの最大活用」だ。エンジンを搭載しないEVだからできる室内スペースの最大化や快適性の追求、目的に応じてシートレイアウトを変更するなどの柔軟性に焦点がおかれている。利便性だけではなく、内装にリサイクル素材を使うなど、持続可能性にも配慮した設計となっている。プラットフォームはクロスオーバーと同じFAARを採用するため、全長は4.5m程度が予想される。

これまでのMINIは大柄のクラブマンやクロスオーバーにおいても、引き締まったアシやダイレクトなハンドリングで「走りの楽しさ」に寄せたキャラクターを持っていたが、このモデルではそれらを捨てて「モビリティとしての合理性」に全振りしたものとなる。要するに、これまでのMINIの常識を打ち破って「便利で快適な乗り物」を追求したモデルとなる。BMWの公式発表でも「新しいコンセプト」という点が強調されている。

ちなみに、フォルクスワーゲンも似たようなコンセプトのEVミニバン「ID.Buzz」を開発しており、2022年後半にヨーロッパで発売する予定だ。

まとめ

MINIも本格的な電動化時代へ突入

写真は現行型の「MINI 3ドア(F56)」をベースにしたMINI初の量産EV「クーパーSE(詳細解説)」。諸事情により国内導入は無し。

以上が次世代(第4世代)MINIのモデルラインアップとなる。実はここに含まれていない、あるいは置き換わる?モデルの噂もチラホラあるが、それらはスルーして実現性の高いモデルのみをピックアップしている。

パワートレインから見て取れるように、次世代ではEVが本格化する新時代に突入する。それと同時に、ガソリンやディーゼルがリリースされる最後の世代になる(2030年代はEVのみになる)。内燃機関が放つ心地良いフィーリングやサウンドが終わりに近づいている寂しさも感じるが、新しい時代には新しい時代のMINIが楽しませてくれるはずなので、その幕開けを素直に楽しみたい。

text by minicooper-sketch.com

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