MINI 3ドア/5ドア、コンバーチブルのマイナーチェンジを徹底解説!
2014年に発売した第3世代の「MINI3ドア、5ドア」、および2016年発売のオープンモデル「MINIコンバーチブル」が、2018年3月にマイナーチェンジ(LCI)。国内販売は「2018年5月16日」からスタートする(2018年3月生産分からマイナーチェンジ型に変更)。
マイナーチェンジではヘッドライトとリアコンビランプに大幅なデザイン変更が施され、MINIならではの丸いヘッドライトと、英国ブランドがいっそう強められた。エンジンも全面的に改良が施され、排出ガスを削減し、燃費も僅かに向上した。トランスミッションでは、MINIで初めてとなるDCTを採用。ダイレクトで素早い変速によって、伝統のゴーカートフィーリングを盛り上げる。
車両本体価格は、MINI3ドアが「238~450万円」、5ドアが「271~407万円」、コンバーチブルが「373~523万円」。これまでオプションだったマルチファンクションステアリング等を標準化して、マイナーチェンジ前の価格より「8~26万円」の値上げとなった。
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Contents
2018年マイナーチェンジの概要
エクステリア
- エクステリア(MINI3ドア、コンバーチブル)
- LEDヘッドライトのデザインを一新
- ユニオンジャックデザインのリアコンビランプ
- エンブレムが新しいMINIロゴに変更
- ボディカラーにメタリックを3色追加
- ピアノブラックエクステリアを追加
インテリア&インフォテイメント
パワートレイン ほか
動画
基本スペック/価格
2018年マイナーチェンジの概要
対象モデル
- MINI 3ドア(F56)
2014年4月発売
MINIで最もコンパクトで軽快なモデル(MTもアリ)、1~2人向け - MINI 5ドア(F55)
2014年10月発売
3ドアの全長を引き伸ばし後席ドアを追加、利便性を高めた人気モデル - MINI コンバーチブル(F57)
2016年3月発売
3ドアをベースにした電動ソフトトップのオープンモデル
追記:MINIクラブマンは2019年夏
観音開きのバックドアをもつMINIクラブマン(F54)は、2019年にマイナーチェンジ。
参照「MINIクラブマンがマイナーチェンジ!フロントグリルを大幅変更」
追記:MINIクロスオーバーは2020年秋
MINIで最大のボディをもつSUVのMINIクロスオーバー(F60)は、2020年秋にマイナーチェンジ。
参照「MINIクロスオーバーがマイナーチェンジ!ユニオンジャックテール採用!」
エクステリア
- ヘッドライトのデザインを変更(デイライトは完全なリング型に)
- リング型デイライトはターンインジケーターも担う(点滅する)
- アダプティブLEDヘッドライトにはハイビーム用マトリクス機能を搭載
- LEDリアコンビランプをユニオンジャックデザインに変更
- エンブレムを新デザインに変更
- ボディカラーにメタリックを3色追加(オレンジ/ブルー/グレー)
- 新オプション「ピアノブラックエクステリア」を追加
- 新デザインの軽量アロイホイールを追加
- 運転席側にMINIロゴを地面に照射するプロジェクターを追加
- フロントバンパーとリアバンパーのデザインに変更なし
インテリア
- 新オプション バックライト付きの助手席側トリムを追加
- 「MINI Yours カスタマイズド」の導入(国内向けは準備中)
- 「モルトブラウン」のレザーシートやインテリアトリムを追加
エンジン&トランスミッション
- エンジンの改良(排ガスの削減、燃費性能が向上)
- エンジンカバーをカーボンファイバー強化プラスティックに変更して軽量化
- ONEのガソリンエンジンを1.2Lから1.5Lに変更
※マイチェン前の2018年1月から変更 - ガソリンモデルの6速ATを7速DCTに変更
※ONEのみマイチェン前の2018年1月から変更 - ジョンクーパーワークスの6速ATを8速ATに変更
※マイチェン前の2018年1月から変更 - 電子制御式セレクターレバーを初採用
インフォテイメント関連
- ナビゲーションシステムがタッチスクリーンに対応
※クラブマンとクロスオーバーには導入済み - MINI初の車載通信モジュール(SIM)を標準装備
※天気予報やニュースの受信、緊急時のSOSコールなどが可能
※エントリーモデルのワンには非搭載 - 「Apple CarPlay」に対応
※ナビのディスプレイでiOS用アプリが使用できる(Siriにも対応) - iPhone用アプリ「MINI Connected」の機能を強化
※遠隔操作によるドアロックや換気などが可能 - スマートフォンのワイヤレス充電に対応(オプション)
- 外部入力「AUX IN」を廃止
標準装備
- マルチファンクションステアリングが全モデルで標準化
- ドライビングアシスト(自動ブレーキ)がワンを除く全モデルで標準化
- アクティブクルーズコントロールがクーパーS/SD、ジョンクーパーワークスで標準化
※前走車との車間距離を自動で調整する機能、30km/h以上で動作し、30km/hを下回ると中断される(ストップ&ゴー非対応) - アームレスト(前席用)がワンを除く全モデルで標準化(MT車は非装備)
- ワンで「クロームラインエクステリア」が標準化
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MINI3ドア クーパーS
2.0L 4気筒 ガソリンターボ&7速DCT
モデルラインアップは従来通りで、BMWグループのガソリンエンジンとディーゼルエンジンを搭載したモデルが用意される。
「クーパーS」は2リッター4気筒のガソリンターボを搭載したスポーツグレード。同じルックスで、2リッター4気筒のディーゼルターボを搭載する「クーパーSD」。スタンダードグレードには、1.5リッター3気筒ガソリンターボの「クーパー」と1.5リッター3気筒ディーゼルターボの「クーパーD」。エントリーグレードには、出力を抑えた1.5リッター3気筒ガソリンターボの「ワン」を用意。※ワンのディーゼルは国内未導入。
さらに、出力&トルクを向上させた2リッター4気筒ガソリンターボを搭載するハイパフォーマンスモデルの「ジョンクーパーワークス」が最上位に君臨する。
MINIコンバーチブル クーパーS
2.0L 4気筒 ガソリンターボ&7速DCT
MINIコンバーチブルで国内導入されているモデルは、ガソリンエンジンの「クーパーS」「クーパー」「ジョンクーパーワークス」のみ。
LEDヘッドライトのデザインを一新
リング型デイライトはターンインジケーターも兼用
LEDヘッドライトを取り囲むデイライト(昼間用)は、Ω型から完全なリング型に変更。デイライトの外周にブラックアウトしたマージンを設けることにより、メリハリのあるルックスに仕上げている。デイライトに使用されるライトは、ターンインジケーターの役割も担っているため、車線変更や右折・左折の際にも点灯する。さらに、ハザード時にも点灯するため、巷でのアピール度はかなり大きい。このギミックは、マイナーチェンジ型を象徴するポイントになりそうだ。
アダプティブLEDヘッドライト(オプション)のハイビームには革新的なマトリクス機能を搭載。様々な道路状況に応じて、最適な視界を提供し、フロントカメラで対向車や先行車を認識すると、他者に対して眩しくないように自動調整する。各ランプは水平に設置された4つのセグメントに分割されており、70km/h以上の速度域において、それぞれのランプが独立して点灯&消灯を行う。
参考:マイナーチェンジ前のLEDヘッドライト
※写真はインナーがブラック&クローム仕様になるアダプティブLEDヘッドライト
ユニオンジャックデザインのリアコンビランプ
賛否両論? マイナーチェンジ最大の注目ポイント
LEDヘッドライトと組み合わされるLEDリアコンビランプは、MINI発祥の国であるイギリスの「ユニオンジャック」をモチーフにしたデザインに変更。ターンインジケーターは水平のライン、ブレーキランプはイン側の垂直のラインが担う。点灯時にはMINIならではの非常にユニークなルックスを魅せてくれる。後続車へのインパクトはかなり高い。これはマイナーチェンジ型と従来型を識別するときの最も分かりやすいポイントとなる。
ユニオンジャックデザインのLEDリアコンビランプは、MINI3ドア/5ドアの「クーパーS/クーパーSD/ジョンクーパーワークス」、MINIコンバーチブルの「クーパー/クーパーS」で標準装備。「ワン/クーパー/クーパーD」ではメーカーオプションの「LEDライトパッケージ(11.9万円)」で装備できる。
筆者は、斜めのラインを含めて「シーケンシャルウインカー(流れるウインカー)になれば面白いな」と思っていただけに、ちょっと残念。好き嫌いが分かれるデザインであることは言うまでもない。
マイチェン前のモデルにも装着可能!
ユニオンジャックテールはマイナーチェンジ前の前期型モデル(2018年2月生産まで)にも装着できる。ライトそのものはポン付け可能だが、正しく動作させるためにはコーディング等の施工が必要。MINIを得意とする「カスタムショップ」では早くから取り扱っており、予想をはるかに上回る大人気となっている。費用は工賃込で8~9万円ほど。
追記:ユニオンジャックテールは、2018年末に前期型モデル用のディーラーオプション「UNION JACK テールライトセット」として追加されたため、全国のMINI正規ディーラーで装着が可能となった。費用はディーラーによって若干異なるが、おおよそ工賃込で9~10万円。
参考:マイナーチェンジ前のLEDリアコンビランプ
エンブレムが新しいMINIロゴに変更
イマドキのスッキリしたフラットデザインに
フラットデザインを採用した新しいMINIロゴに変更。ボンネットとテールゲートハンドル、ステアリングホイール中央、リモートキー、インフォテイメントシステム(ナビ)のロゴが新ロゴに置き換わる。新ロゴはMINIの新しいブランドアイデンティティを現しており、具体的には「運転の楽しさ、オリジナルなデザイン、プレミアムなクオリティ」などを示す。
参考:マイナーチェンジ前のMINIロゴ
ボディカラーにメタリックを3色追加
1. ソラリスオレンジ メタリック
2. スターライトブルー メタリック
3. エメラルドグレー メタリック
新たに3つのメタリックカラーを追加。「ソラリスオレンジ メタリック」、「スターライトブルー メタリック」、「エメラルドグレー メタリック」。このうち、ソラリスオレンジとエメラルドグレーは完全な新色。スターライトブルーは、先代のクロスオーバーやペースマンに設定されていた。
新色の追加によって「ボルカニックオレンジ(ソリッド)」、「ブレイジングレッド メタリック」、「ディープブルー メタリック」の3つが生産終了となる。
ピアノブラックエクステリアを追加
クロームパーツをブラックアウト
スポーツグレードのクーパーS/クーパーSD専用オプションとして「ピアノブラックエクステリア」を新たに追加。外装のクローム(鏡面)パーツがピアノブラック(艶黒)に置き換わるデザインパッケージ。ヘッドライトのリング、リアコンビランプのリング、フロントラジエーターグリルのフレームが、クロームからピアノブラックに変更される。
クロームパーツのブラック化は、MINIのカスタマイズで定番の手法。精悍なルックスが好まれるクーパーSやジョンクーパーワークスでは人気のスタイル。ブラックのボンネットストライプとコーディネートすれば、スポーティさがいっそう際立つ。
なお、以前からピアノブラックのヘッドライトとリアコンビランプのリングは、ディーラーオプションの後付けパーツとして単体販売されている。
画像はピアノブラックエクステリアとJCWパッケージ(前後のエアロバンパー、サイドスカートなど)を装備したMINI5ドアのクーパーS。
スポーティなブラックコーデ
画像はMINI3ドアのクーパーSに、前出のピアノブラックエクステリアとJCWパッケージ。さらにセンターに太いラインが入るスポーツストライプとフロントラジエーターにアディショナルヘッドランプを装備したスポーティスタイル。鮮やかなソラリスオレンジがグッと引き締まって、キレのある走りを彷彿とさせる。
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ナビが待望のタッチスクリーンに対応
インターフェースデザインもスタイリッシュに
ナビゲーションシステム(オーディオや車両設定などの機能も含む)が待望のタッチスクリーンに対応。サイドブレーキ横にあるダイヤルプッシュ&タッチパッド式の物理ボタンに加えて、スマートフォンのように画面タッチによる操作も可能となった。従来の物理ボタンよりも直感的で軽快な操作ができるため、マップのスクロールや文字入力、メニュー画面を頻繫に行ったり来たりする際の使いやすさが向上した。ユーザーインターフェース(画面デザイン)もスタイリッシュなフラットデザインに変更。
なお、タッチスクリーン対応の新しいナビは、2017年2月に発売したMINIクロスオーバーと「2016年12月の仕様変更」以降のMINIクラブマンには、すでに導入されている。
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「Apple CarPlay」に対応
iPhoneアプリがナビのディスプレイで利用可能
Apple CarPlayとは、iPhoneのアプリをナビのディスプレイに表示して利用できるサービス。車内での利用に特化した設計で、Appleではこれを「究極のドライビングパートナー」と呼んでいる。MINIだけではなく、メルセデスベンツやアウディなどの欧州メーカーから国内メーカーまで幅広く採用が進んでいる。
iPhoneをBluetooth(無線通信)で車両にコネクトすると、純正ナビの8.8インチディスプレイにメインメニューが表示され、電話やメッセージ機能はもちろんのこと、iPhoneユーザーが使い慣れたApple純正の「ミュージックアプリ」や「マップアプリ」などが使えるようになる。サードパーティーのアプリも利用できるため、将来的な可能性は非常に大きい。
例えば、これまでiPhoneのカーナビアプリ等を利用したい場合には、ダッシュボードの見やすい位置に車載ホルダーでiPhone本体を固定する必要があった。だが、Apple CarPlayを利用すればナビの大きなディスプレイにマップを表示することができるため、本体の位置に制限がなくなり、格段に使いやすくなる。
操作はタッチスクリーンとセンターコンソールにあるMINIコントローラーのほか、音声認識(Siri)によって、運転中に電話をかけたり、お気に入りのミュージックプレイリストを呼び出すなど、様々なアクションをノールックで行うことができる。ショートメッセージを読み上げたり、その返信メッセージを声で入力することも可能だ。
「Apple CarPlay」は、メーカーオプションの「APPLE CARPLAY & WIRELESS PACLAGE」で提供される。このオプションパッケージには、アームレスト内でスマートフォンのワイヤレス充電ができる「ワイヤレスパッケージ」や、パドルシフトが付く「John Cooper Works ステアリング」も含まれる。ただし、Apple CarPlayが使える「有効期間は3年間」となるため、継続的に使用するには追加費用が必要となる。
追記2020年1月:Apple CarPlayの有効期間を撤廃!
Apple CarPlayは永続的に利用できる無料のサービスに変更
パッケージ価格は、クーパー/クーパーDで、133,000円、クーパーS/クーパーSDで、75,000円。エントリーモデルのワンは選択できない点に注意したい。
なお、Bluetoothは全モデルで標準装備されているため、「Apple CarPlay」が無くてもハンズフリー通話やオーディオ再生は可能だ。
詳細:Apple公式ページ「Apple CarPlay」
アプリ「MINI Conneced」が機能アップ
スマホから遠隔操作でドアロック等が可能に
従来からリリースされていたiPhone(iOS)用アプリ「MINI Conneced」の機能も強化。車外から遠隔操作でドアの施錠や解錠、ベンチレーション(換気)を起動させて、蒸し暑い季節も車内を快適にスタンバイしておくことができる。タイマーで指定した時間に起動させておくことも可能。ヘッドライトを点灯させることもできるため、夜間の広い駐車場でも自車を見つけやすくなる。
ナビを便利にする「Send to Car」機能では、パソコンやスマートフォンで検索した目的地をナビにインポートできるようになった。「MINIオンライン」では、車載の通信モジュールで最新ニュースや天気予報を取得することが可能。走行中にニュースを読み上げたり、現在地や目的地の天気を確認することができる。
「MINI Conneced」は、ワンを除く全モデルで標準装備。ただし、通信モジュールを使った機能の有効期間は3年間となる。
Check! 新「MINIコネクテッド」の配信が開始!
バックライト付きのインテリアトリムを追加
任意の照明カラーを選択可能
オプションに「MINI Yours インテリアスタイル ピアノブラック イルミネーテッド」を追加。助手席側のインテリアトリムにバックライトが備わり、ユニオンジャックデザインのグラフィックがナイトドライブを盛り上げる。照明カラーは、エキサイトメントパッケージ(室内の照明カラーを選択できるオプション)と連動しているため、その時の気分によってレッドやブルー、グリーンなどに変更することができる。
エンジンの改良
環境に優しくなり、燃費も改善!
ガソリエンジンに改良を施しCO2排出量を削減。実燃費も僅かに向上している。最高出力や最大トルクは従来のままで、基本的にパフォーマンスそのものに変更はないが、高回転まで回した時の排気音は、以前よりもスポーティなサウンドに味付けされている(筆者の所感では、聞き比べて分かるレベル)。
つまり改良の目的は排ガス対策だが、その範囲は「エンジン基本部分、MINIツインターボテクノロジー、エンジンエレクトロニクス、給油、吸気ダクト、冷却システム、排気システム」など幅広い。一部のエンジン構造を刷新して、以前よりも環境に優しいエンジンに進化した。マイナーチェンジを心待ちにしていた方には期待外れかもしれないが、これは自動車メーカーの責務として重要なステップだ。
新しいデザインのエンジンヘッドカバーは、カーボンファイバー強化プラスティックを採用して軽量化すると共に、旧型エンジンと改良型エンジンを見分けるのに役立つ(旧型のヘッドカバーには、MINIロゴのエンブレムが付いている)。
エントリーモデルのONEは1.5Lに
エントリーモデル「MINI ONE」のガソリンエンジンを、1.2リッター3気筒から1.5リッター3気筒に変更。上位モデルのクーパーと同じ排気量になった。出力はそのままだが、トルクは僅かにアップ(10Nm)している。実際にはマイナーチェンジ前の2018年初頭のモデルから先行導入されている。
新エンジンはトルクバンドに変化あり
改良したガソリンエンジンは、最大トルクを発揮する回転域が以前よりも狭くなった。クーパーは「1250-4300rpm」から「1480-4100rpm」、クーパーSは「1250-4600rpm」から「1350-4600rpm」、ジョンクーパーワークスは「1250-4800rpm」から「1450-4800rpm」に変更されている。
MINI初のDCTを採用、JCWは8ATに!
ダイレクトでスポーティな加速を実現
6速ATからMINIで初採用となる7速DCT(ダブルクラッチトランスミッション)に変更。新設計の電子制御式セレクターバーで操るDCTは、インテリアのルックス面でも大きな違いを感じさせる。
DCTはトルクを失うことなくダイレクトで素早い変速が行えるため、従来のトルコンATよりもスポーティなドライビングフィールを楽しむことができる。その反面、交通渋滞時などでノロノロ走行が多用される場面では、ATほどスムーズに変速できないというデメリットを持ち合わせているが、その差は僅かであり実際にはそれほどストレスにならない。
DCTが搭載されるモデルは、ガソリンエンジンの「ワン、クーパー、クーパーS」、ディーゼルエンジンのクーパーDは従来通り6速ATで変更なし。クーパーSにはパドルシフトが付くスポーツDCTも用意。スポーツDCTは、セレクターバーにレッドラインが入りスポーティなルックスになる。
追記:クーパーDもDCTに変更!
2020年5月からクーパーDのトランスミッションが、6速ATから7速DCTに変更。これで「ワン、クーパー、クーパーD、クーパーS」の4モデルがDCTとなった。
同様に、クーパーSをベースにしたハイパフォーマンスモデル「MINI3ドア ジョンクーパーワークス(JCW)」は6速スポーツATから8速スポーツATに変更。全長4mにも満たないコンパクトカーに8ATを搭載しているのはユニークな存在。強力なエンジンパフォーマンスを効率的に扱うことが可能となり、スムーズなドライブフィールと燃費の向上が期待される。
「なぜジョンクーパーワークスはスポーツモデルなのにDCTではないのか?」と思うところだが、DCTが対応できるトルクに上限があるため、320Nmの太いトルクを発揮するジョンクーパーワークスには使えないという事情がある。
ディーゼルのスポーツモデルであるクーパーSDは、従来の6速ATから変更なし。SDのディーゼルエンジンはジョンクーパーワークスを超える360Nmの極太トルクを発揮するためDCTは搭載できない。海外仕様では8速ATが与えられているが、国内仕様では6速ATのままとなっている。
追記:国内のクーパーSDも8速ATに変更!
2020年5月からクーパーSDのトランスミッションが、6速ATから8速ATに変更。これで「クーパーSD、ジョンクーパーワークス」の2モデルが8速ATとなった。MINI3ドアと5ドアのクーパーSDは、同世代のMINIでトップクラスの燃費性能をもっているが、ATが多段化されたことで、よりいっそうの低燃費が期待できる。
マイナーチェンジで燃費が悪化?
新しいトランスミッションと改良エンジンによって燃費性能は向上したが、カタログ燃費は従来より悪化した。これは日本の燃費基準であるJC08モードに最適化されていないためであり、実際の燃費は僅かに向上している。
関連記事:DCTの詳細
その他
- 燃料計は「2017年7月の改良」から視認性の高いグリッドメモリタイプに変更されている
- インストルメントパネルに変更はないが「2017年7月の改良」からMINIドライビングモードのスイッチが移設されている
- ドレスアップパーツをオンラインで作成&発注できる新サービス「MINI Yours カスタマイズ」で作成したサイドスカットル
- ドア開閉時に運転席ミラー下部に埋め込まれたプロジェクターからMINIロゴを投影(国内仕様は右側)※オプション
動画
公式プロモーション
デトロイトショー2018で初公開
MINI 5ドア クーパーS(JCWパッケージ)
LEDライトの動作やインテリアの詳細、走行シーン
ラインアップと基本スペック
MINI 3ドア/5ドア
ワン
クーパー/クーパーD
※ユニオンジャックのLEDリアコンビランプはオプション
クーパーS/クーパーSD
▼ MINI 3ドアのモデルラインアップ
追記:仕様変更について
2020年5月からクーパーDのトランスミッションが6速ATから7速DCT、クーパーSDが6速ATから8速ATに変更。マニュアルトランスミッション(MT)は2020年2月の生産分を最後に廃止。2020年5月現在の最新価格はこちら
2018年5月 マイナーチェンジ |
MINI 3ドア (F56) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
ガソリンエンジン | ディーゼルエンジン | |||||
ワン | クーパー | クーパーS | ジョンクーパー ワークス |
クーパーD | クーパーSD | |
価格(税込) | DCT 256万円 MT 238万円 |
DCT 312万円 MT 294万円 |
DCT 372万円 MT 354万円 |
AT 450万円 MT 432万円 |
329万円 | 389万円 |
下記はマイナーチェンジ前 | ||||||
DCT 244万円 MT 230万円 |
AT 286万円 MT 272万円 |
AT 356万円 MT 342万円 |
AT 435万円 MT 418万円 |
306万円 | 376万円 | |
変速機 | 7DCT / 6MT | 8AT / 6MT | 6AT | 6AT | ||
下記はマイナーチェンジ前 | ||||||
6AT / 6MT ワンは2018年初頭から7DCT |
6AT / 6MT 2018年初頭から8AT |
6AT | ||||
エンジン | ガソリン ターボ | ディーゼル ターボ | ||||
1.5L 3気筒 | 2.0L 4気筒 | 1.5L 3気筒 | 2.0L 4気筒 | |||
最高出力 | 102ps | 136ps | 192ps | 231ps | 116ps | 170ps |
最大トルク | 190Nm | 220Nm | 280Nm | 320Nm | 270Nm | 360Nm |
加速 0-100km/h ※参考値 |
10.3秒 | 8.0秒 | 6.7秒 | 6.1秒 | 9.3秒 | 7.2秒 |
燃費(JC08) | DCT 17.8km/L MT 17.9km/L |
DCT 17.7km/L MT 17.4km/L |
DCT 16.4km/L MT 15.1km/L |
AT 15.8km/L MT 14.5km/L |
23.9km/L | 23.8km/L |
下記はマイナーチェンジ前 | ||||||
AT 19.2km/L MT 20.2km/L |
AT 18.3km/L MT 19.6km/L |
AT 17.6km/L MT 15.8km/L |
AT 16.6km/L MT 14.8km/L |
23.9km/L | 23.8km/L | |
燃料 | ハイオク | 軽油 | ||||
主要諸元 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
定員 | 4名 | |||||
全長/全幅/全高 | 3860×1725×1430mm | |||||
ホイールベース | 2495mm | |||||
最小回転半径 | 5.2m | |||||
荷室容量 | 211L |
▼ MINI 5ドアのモデルラインアップ
追記:仕様変更について
2020年5月からクーパーDのトランスミッションが6速ATから7速DCT、クーパーSDが6速ATから8速ATに変更。2020年5月現在の最新価格はこちら
2018年5月 マイナーチェンジ |
MINI 5ドア (F55) | ||||
---|---|---|---|---|---|
ガソリンエンジン | ディーゼルエンジン | ||||
ワン | クーパー | クーパーS | クーパーD | クーパーSD | |
価格(税込) | 271万円 | 328万円 | 388万円 | 347万円 | 407万円 |
下記はマイナーチェンジ前 | |||||
259万円 | 304万円 | 374万円 | 324万円 | 394万円 | |
変速機 | 7DCT | 6AT | 6AT | ||
下記はマイナーチェンジ前 | |||||
6AT ワンは2018年初頭から7DCT |
6AT | ||||
エンジン | ガソリン ターボ | ディーゼル ターボ | |||
1.5L 3気筒 | 2.0L 4気筒 | 1.5L 3気筒 | 2.0L 4気筒 | ||
最高出力 | 102ps | 136ps | 192ps | 116ps | 170ps |
最大トルク | 190Nm | 220Nm | 280Nm | 270Nm | 360Nm |
加速 0-100km/h ※参考値 |
10.6秒 | 8.3秒 | 6.8秒 | 9.5秒 | 7.3秒 |
燃費(JC08) | 17.5km/L | 16.3km/L | 16.4km/L | 23.9km/L | 23.8km/L |
下記はマイナーチェンジ前 | |||||
19.2km/L | 18.3km/L | 16.4km/L | 23.9km/L | 23.8km/L | |
燃料 | ハイオク | 軽油 | |||
主要諸元 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
定員 | 5名 | ||||
全長/全幅/全高 | 4015×1725×1445mm | ||||
ホイールベース | 2565mm | ||||
最小回転半径 | 5.6m | ||||
荷室容量 | 278L |
Check!ディーゼル「メリット・デメリット」を徹底解説!
MINI コンバーチブル
クーパー
クーパーS
2018年5月 マイナーチェンジ |
MINI コンバーチブル (F57) | ||
---|---|---|---|
ガソリンエンジン | |||
クーパー | クーパーS | ジョンクーパー ワークス |
|
価格(税込) | 373万円 | 425万円 | 523万円 |
下記はマイナーチェンジ前 | |||
348万円 | 410万円 | 505万円 | |
変速機 | 7DCT | 8AT | |
下記はマイナーチェンジ前 | |||
6AT | 6AT | ||
エンジン | ガソリン ターボ | ||
1.5L 3気筒 | 2.0L 4気筒 | ||
最高出力 | 136ps | 192ps | 231ps |
最大トルク | 220Nm | 280Nm | 320Nm |
加速 0-100km/h ※参考値 |
8.7秒 | 7.1秒 | 6.8秒 |
燃費(JC08) | 16.4km/L | 15.5km/L | 15.4km/L |
下記はマイナーチェンジ前 | |||
16.7km/L | 16.3km/L | 15.6km/L | |
燃料 | ハイオク | ||
主要諸元 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
定員 | 4名 | ||
全長/全幅/全高 | 3860×1725×1415mm | ||
ホイールベース | 2495mm | ||
最小回転半径 | 5.15m | ||
荷室容量 | 215L(幌クローズ時) |
主な標準装備
衝突回避・被害軽減ブレーキを標準化
MINI3ドア/5ドア * マイナーチェンジ前はオプション | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
装備品 | ワン | クーパー | クーパーS | ジョンクーパー ワークス |
クーパーD | クーパーSD |
ナビ(詳細解説) | – | 〇* | 〇 | 〇 | 〇* | 〇 |
MINI Connected | – | 〇* | 〇 | 〇 | 〇* | 〇 |
LEDヘッドライト | – | – | 〇 | 〇 | – | 〇 |
LEDリアコンビランプ | 〇* | 〇* | – | – | 〇* | – |
LEDリアコンビランプ ユニオンジャックデザイン |
– | – | 〇 | 〇 | – | 〇 |
マルチファンクションステアリング | 〇* | 〇* | 〇* | 〇 | 〇* | 〇* |
ドライビングアシスト 衝突回避・被害軽減ブレーキ |
– | 〇* | 〇* | 〇* | 〇* | 〇* |
アクティブクルーズコントロール 前走車に自動で追従、30km/h以上で動作し、30km/hを下回ると中断される(ストップ&ゴー非対応) ※「コーディング」で動作速度の変更とストップ&ゴーの有効化が可能 |
– | – | 〇* | 〇* | – | 〇* |
カラーバリエーション
新色「ソラリスオレンジ メタリック」
新色「エメラルドグレー メタリック」
新設定「スターライトブルー メタリック」
ボディカラー | 3ドア/5ドア | コンバーチブル |
---|---|---|
新色:ソラリスオレンジ メタリック | 〇 | 〇 |
新色:エメラルドグレー メタリック | 〇 | 〇 |
新設定:スターライトブルー メタリック | 〇 | 〇 |
ペッパーホワイト ソリッド | 〇 | 〇 |
ホワイトシルバー メタリック ワンは選択不可 |
〇 | 〇 新設定 |
メルティングシルバー メタリック | – | 〇 |
ムーンウォークグレー メタリック | 〇 | 〇 |
サンダーグレー メタリック S/SD/ジョンクーパーワークス専用 |
〇 | 〇 |
ミッドナイトブラック メタリック | 〇 | 〇 |
チリレッド ソリッド | 〇 | 〇 |
エレクトリックブルー メタリック | 〇 | – 廃止 |
カリビアンアクア メタリック コンバーチブル専用 |
– | 〇 |
MINI Yours ラピスラグジュアリーブルー ソリッド ワンは選択不可 |
〇 | 〇 |
新 ブリティッシュレーシンググリーン メタリック | 〇 | 〇 |
旧 ブリティッシュレーシンググリーン メタリック | 〇 | 〇 |
レベルグリーングリーン ソリッド ジョンクーパーワークス専用 |
〇 | 〇 |
ボルカニックオレンジ メタリック | 廃止 | |
ブレイジングレッド メタリック | ||
ディープブルー メタリック |
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